現役では九州最古 部埼灯台の中に入ってみた 国の重文指定へ答申

西日本新聞 北九州版 壇 知里

 国の文化審議会が重要文化財への指定を答申した門司区の部埼(へさき)灯台は、明治時代から船舶が安全に通行するため海を照らし、日本の近代化を支えた。九州最古の現役灯台と関連施設には、電気が普及していない時代の航路信号技術や灯台守の住み込みの生活など歴史の跡が残る。北九州市文化企画課の立野康志郎学芸員の案内で、通常は公開していない灯台の内部などに入った。

 部埼灯台は同区白野江の岬に位置し、海面から約39メートルの高さにそびえ立つ。

 灯台内部に入ると、深さ4・5メートルの「分銅筒」と、回転式レンズが見えた。レンズが設置されたのは1895年(明治28年)。電気が普及していない時代は、この筒に灯台守が分銅を落して船舶を照らすレンズを回転させる仕組みだった。1919年に電力で自動化され、レンズは現在も現役で稼働している。

 部埼灯台の真後ろには、かつて灯台守が生活した「旧官舎」がある。78年に内部を改修したが、暖炉は当時のまま残っている。

 旧官舎前の石柱は盤面がなくなっているものの、日時計の台座で、かつては灯台守が時刻を知る手段だった。すぐそばには厨房(ちゅうぼう)棟などの基礎部分が残るが、立野さんは「料理人がいたのかなど資料がなく詳細は不明」と説明する。

 78年に新しい潮流信号電光板が設置される前に使われていた「旧昼間潮流信号機」は現在も旧官舎裏の高台に残る。夜間潮流信号機も近くにあったが撤去されてしまったという。

 灯台に関する資料は乏しく、謎も多いため、「引き続き分析していきたい」と立野さん。重文指定をきっかけに地元住民と協力して、施設の説明の看板設置など環境整備に取り組むという。現在も灯台は稼働しているため、灯台や旧官舎の内部は通常は見ることができず、年に数回特別公開している。 (壇知里)

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