体力の衰え「これではいけない」 44歳記者、ボルダリングに挑戦

西日本新聞 もっと九州面 中川 次郎

 スポーツの秋。とはいうものの何もせずに過ぎ去ろうとしていた。44歳となり、体力の衰えを実感する今日この頃。「これではいけない」と気軽にできるスポーツを探していると、福岡県嘉麻市に東京五輪の正式種目に選ばれたボルダリングを楽しめる施設「K-WALL(ケイ・ウォール)」があると聞き、さっそく向かった。

 10月15日夜。同市が旧足白小の体育館を改装し、整備した施設に入ると、全幅46・2メートル、高さ最大4・5メートルの壁がそびえていた。壁は7面あり、傾斜は最も簡単な85度から最難関の135度まで。壁にはカラフルな突起物(ホールド)が付いており、ホールドの下に貼られたテープの数字を確認しながら、ゴールを目指す。

 例えば「ピンク1」の壁に挑戦する場合、ピンクのテープに「1S」と書かれたホールドを両手でつかんでスタート。ピンク1のホールドだけを使って進み、「1G」のホールドを両手でつかむとゴール。施設には9級(ピンク)から初段(黒)までのグレードがあり、グレードが上がると足を乗せるホールドが制限されたり、ホールドの間隔が広くなったりする。ボルダリングは、タイムではなくゴールできるかを競う。

 ルールを説明してくれた大谷聖センター長(26)は「登りながらホールドを探すと体力が消耗する。ホールドの位置を確認しながら、どのように登るか考えることが重要。まずはピンク10までのクリアを目標に」と話した。

 専用の靴を履き、いよいよ挑戦。85度のピンク1、ピンク2はあっけなく約2~3メートル付近のゴールへ。90度、95度も難なくクリアしたが、少し傾斜がきつくなった105度のピンク8で失敗し、床に敷き詰められたマットに倒れ込んだ。

 長時間壁にしがみついていたため、腕が痛くなり、握力もなくなっていた。ただ、ルートを考え、何度か挑戦すると、ようやくゴールへ。達成感を味わい、思わず「よし」と声が出た。

 休憩し、周りを見ると会社員が目立つ。平日は午後10時まで営業しており、仕事帰りの会社員が多い。未就学児用の傾斜が緩やかな壁も4面あり、子どもから大人まで楽しめる。

 体力が回復したので、傾斜115度のピンク9へ挑戦。ここでは上ではなく横に移動し、ゴールを目指すが、傾斜が厳しく、スタートするのも一苦労。二つ目のホールドもつかめず、何度もマットに転がった。

 大谷さんにアドバイスを求めると、休む場合は腕を伸ばして体重を後ろにかける▽可動域を増やすためつま先で立つ-などと教えてくれた。確かに動きやすくはなったが、体力の限界で、どうしても進めない。

 そんな中、迫り来るような135度の壁を登る同県久留米市の会社員後藤利幸さん(42)に目を奪われた。「すごい」と声を掛けると、「何年もやっていますから。初めはできません。ホールドをつかむ一手の積み重ねがゴールにつながる。やればやるほど成長が分かるのがボルダリングの楽しさ」と教えてくれた。

 そろそろ時間になるため、最後と決め、ピンク9に挑むと、四つめのホールドはつかめたが、結局、失敗。悔しさは残るが、次への意欲も出てきた。「必要な道具は専用の靴だけ。服装も自由なので、事前の準備は靴下とマスクだけで誰でも経験できる。また、来てください」と大谷さん。

 初心者ながら十分楽しめたボルダリング。東京五輪の頃には中級になることを目標に家路に就いた。 (中川次郎)

 K-WALL 福岡県嘉麻市馬見587。同市が打ち出す「体験型観光」の拠点施設として2018年4月にオープン。現在は市が100%出資するまちづくり会社「嘉麻スタイル」が運営。営業時間は平日が午前10時~午後10時、土日祝が午前10時~午後8時(水曜定休)。料金は2時間550円、1日1100円。専用シューズのレンタル料は300円。10月25日に開かれる九州大会の準備などのため、22~26日は休業予定。近くには旧足白小校舎を利用し、宿泊ができる足白農泊施設「カホアルペ」がある。ケイ・ウォール=0948(43)4870。

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