「ダム怖い」「清流守れ」球磨川治水で4団体、熊本県知事に懸念伝える

西日本新聞 熊本版

 7月豪雨で被災した球磨川流域の治水対策を巡り、ダム建設に反対する「子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」(中島康代表)など4団体11人が20日、県庁で蒲島郁夫知事と面会した。「ダムより先に議論すべきことがある」。図面や資料を示しながら、国が示す川辺川ダムの治水効果への疑問や民意把握の手法への懸念を知事に直接伝えた。

 「ダムがあれば人命は救われたのか。そもそも水はどこからきたのか」。清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会の木本雅己事務局長は「人命が損なわれた地域は旧河道や自然の遊水池だった場所。住宅建設の制限が必要」とダム以外の解決策を求めた。

 国が示す被災時のピーク流量にも疑問を挟んだ。国は人吉市地点で毎秒7400トンとするが、同会の緒方紀郎事務局次長は「どのように算出されたか明らかにされていない。毎秒1万トン以上流れたのではないか」と言葉を強めた。

 「団体の長の意見が民意ではない」。同会の岐部明広共同代表は、流域市町村長らによる蒲島氏へのダム建設促進要望や、今月15日から蒲島氏が住民・団体対象に始めた意見聴取会を念頭に、くぎを刺した。その上で「球磨川を壊してはいけない。ダムは怖い。清流球磨川がなくなってしまっては人吉の未来や復興はない」と強調した。

 美しい球磨川を守る市民の会の平山信夫氏は漁業者の立場から「ダムができると川も海も壊滅的な状況になるんじゃないか」と心配。瀬戸石ダムを撤去する会の土森武友事務局長は被害を拡大させた原因として発電用の瀬戸石ダム(芦北町、球磨村)の存在を指摘。「流れを阻害し、たまった土砂が水位を上昇させた」と撤去を求めた。

 蒲島氏はメモを取り、時折うなずきながら耳を傾け、「大変貴重な意見、提案をいただいた」と述べた。 (古川努)

熊本県の天気予報

PR

熊本 アクセスランキング

PR

注目のテーマ