「できちゃったけど…」34歳、非婚を選んだ3つの理由

西日本新聞

復刻連載・夫婦でいる理由(わけ)<8>

 「結婚はしなくても、子どもだけは欲しい」という女性の声をよく耳にする。かたや「できちゃった婚」も少なくない。元大手商社の営業職で、現在は福岡にある経営コンサルティング会社に勤める美和さん(39)の場合、「できちゃったけど、結婚しなかった」。彼女が「非婚」を選んだ三つの理由とは-。

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 【第1の理由】

 彼のことをそれほど好きではなかったからです。

 妊娠したのは4年前。相手は8年来の恋人だったんですが、そのころはもう情熱が冷めつつあった時期でした。

 私は転勤が多く、名古屋にいた彼とは、ずっと遠距離恋愛。最初は寂しさもありましたが、仕事に慣れて精神的に落ち着いてくると、彼との関係を冷静に見ることができるようになりました。

 彼は会話上手で遊び方もうまい。男女を問わず友人の多い人でした。遊び相手としては最高なんですが、軽さゆえに不安にもなった。家庭を共に築いていくタイプじゃないなあ。そう感じ始めたころでした。

 【第2の理由】

 彼に父親になる気がなかったからです。

 彼との結婚が考えられなくなっていたので、きちんと避妊してたんですが…。安全日の計算を間違えちゃって。

 でも、女に生まれたのだから一度は出産を経験したかった。当時34歳。最後のチャンスかもしれない。産むこと自体には、何のためらいもありませんでした。

 ただ、2人の間にできた子だから、独断では決められない。彼にも父親になる権利はあるし。それで相談したんですが、開口一番、「本当に俺の子なのか」。私の素行調査はするわ、認知は渋るわ。父親になる意志が全く感じられませんでした。

 【第3の理由】

 たとえ娘のために籍を入れても、結局は娘につらい思いをさせてしまうことが想像できたからです。

 最後まで不安だったのは、ひとり親で子どもをきちんと育てられるか、でした。

 ただ、不信感を抱いたまま結婚しても、うまくいかないのは目に見えていた。両親の離婚を見せられる方が子どもにはショックでしょう。

 前向きに生きる姿を見せていれば、娘も真っすぐ育っていってくれるはず。

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 「非婚でいこう」。心は決まった。

 出産を機に商社をやめ、実家に近い会社に転職した。これまでのキャリアを生かせるし、転勤もない。今、迷うことなく仕事に育児に全力投球している。

 「娘が大きくなったとき、非婚を選んだ理由を、自信を持って説明したい。そんな人生を歩んでおきたい」(文中仮名)

 この記事は1999年4月8日付で、文中の年齢、肩書、名称などの情報はすべて掲載当時のものです。

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 21世紀に入って20年が過ぎた。この間、女性の社会進出が進み、男女の関係も変化したように見える。では、夫婦のカタチは…。1999年の連載「夫婦でいる理由(わけ)」を読み返してみると、その答えが見えてくる。

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