トランプ氏挽回なるか 22日、最後の討論会 バイデン氏の失言誘う?

西日本新聞 国際面 田中 伸幸

 【ワシントン田中伸幸】米大統領選の共和党候補トランプ大統領と、民主党候補バイデン前副大統領による2回目の討論会が22日、南部テネシー州で開かれる。直接対決は最後の見通しで、劣勢が報じられるトランプ氏には起死回生が懸かる場となる。トランプ氏に対しては、バイデン氏の発言への妨害を控え、多く発言させることで失言を引き出して攻撃すべきだとの助言が続出。バイデン氏が答えに窮する場面をつくりつつ、景気回復策などをアピールできるかが焦点だ。

 「バイデン氏の雪崩的な大勝の可能性が出てきた」。投開票まで2週間を切った米国内では最近、こんな見方が広がりつつある。

 9月の第1回討論会でトランプ氏は、バイデン氏の発言を70回以上妨害。バイデン氏も「黙れ」などと暴言を吐いたものの、各種世論調査ではトランプ氏が支持率を下げた。トランプ氏の新型コロナウイルス感染も批判的に受け止められ、全米レベルだけでなく激戦州での支持率も、バイデン氏優勢の状況が続く。

 計3回予定されていた討論会は、トランプ氏の感染の影響で2回目が中止となり、直接対決は22日が最後の公算が大きい。逆転の道を探るトランプ氏支持の保守派論客らからは、バイデン氏の失言癖を念頭に「とにかくバイデン氏にしゃべらせるべきだ」との意見が相次ぐ。ミスを引き出した上で攻撃を仕掛け、同時に最大のアピールポイントの経済政策などを訴えるのが得策との目算だ。

 トランプ氏が討論会で取り上げたいのが、バイデン氏の息子にくすぶる金銭疑惑。最近も保守系の新聞が、海外とのビジネスを巡る疑惑が指摘される息子に絡む「『不正』の証拠を入手」と報じた。トランプ氏は、この疑惑がバイデン氏の副大統領時代と重なるとしてバイデン氏の関与を一方的に疑い「汚職犯罪で捜査されるべきだ」と非難しており、バイデン氏を問いただしたい考えとみられる。

 ただ、トランプ氏に厳しい主要メディアは、証拠が乏しいとして疑惑をほとんど報道していない。討論会の司会者は主要メディア所属の記者で、疑惑が取り上げられる保証もない。同記者は中立的との評価があるものの、トランプ氏は20日、テレビ番組で「完全に民主党寄りだ」と批判。バイデン氏にも厳しい姿勢で臨むよう強くけん制した。

 一方、討論会の主催団体は、候補の発言中に相手のマイクを部分的に切る方針を決定。発言の一部が視聴者に届かない可能性があり、トランプ氏にとって不利に働く可能性もある。

 トランプ氏は21日まで地方遊説を続ける半面、バイデン氏は遊説を回避し、討論会の模擬演習などをして決戦に備えるという。

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