菅首相、初の本格論戦へ 野党は政権の体質を追及 臨時国会26日召集

西日本新聞 総合面 森井 徹 川口 安子

 自民党の森山裕国対委員長と立憲民主党の安住淳国対委員長は21日、国会内で会談。26日召集の臨時国会について、同日に菅義偉首相が所信表明演説し、これに対する各党の代表質問を28~30日に衆参両院本会議で行うことで合意した。予算委員会は11月2日から衆院で始める。会期は12月5日までの41日間。

 安住氏は、日本学術会議の会員候補の任命拒否問題で杉田和博官房副長官を国会招致することや、予算委を衆参それぞれ3日間開催することを森山氏に求めたが、折り合わなかった。
 政府は臨時国会に、新型コロナウイルスのワクチン接種で副作用が出た場合の賠償を肩代わりする法案など、10本程度の法案を提出する予定。継続審議中の、憲法改正手続きを定めた国民投票法改正案の行方も注目される。

「学術会議」拒否理由、焦点に

 26日召集の臨時国会は、菅義偉首相が9月に就任して初の本格論戦の場となる。最大の焦点は、日本学術会議の会員候補の任命拒否問題。野党は拒否の理由を明らかにするよう追及を強めており、首相自身がどこまで説明責任を果たすかに耳目が集まる。対応次第では、好発進した内閣支持率の行方も楽観視できない。

 「推薦される方々が、そのまま任命されてきた前例を踏襲していいのかを考えた結果だ」。21日、首相は外遊先のインドネシアでの記者会見でこう強調し、改めて拒否判断の正当性を主張した。

 自民党も、学術会議を行政改革対象に位置付けて首相を側面支援するプロジェクトチームを立ち上げており、この日の会合では大西隆氏ら元会長3人から意見聴取。会員を特別職の国家公務員としている処遇に、出席議員が疑問を呈した。

 こうした動きには理解を示す声の一方で、「論点のすり替え」との批判も。

 首相は「総合的、俯瞰(ふかん)的活動を確保する観点から判断した」などと拒否理由を説明しているが、共同通信の10月の世論調査では72・7%が「不十分だ」と回答。9月の総裁選の討論会では答弁を不安視されるような一幕もあり、予算委員会などでの受け答えが注視される。

 学術会議の影響もあり、内閣支持率はやや下がり気味。与党内には「祝儀相場からだんだん平常心に戻るので、特別なことでない」(自民の二階俊博幹事長)との見方と、「国会情勢によって一気に下落傾向が強まる可能性もある」との懸念が交錯している。

 9月の政党合流で、衆参150人の野党第1党となった立憲民主党にとっては「総選挙に向けた戦いのスタート」(福山哲郎幹事長)の国会となる。

 安住淳国対委員長は21日、「政治権力が学問の自由に介入したのは明らかだ。そうした政権の体質も厳しく追及していきたい」と述べ、任命拒否問題を軸に攻勢をかけることを宣言。関与したとされる杉田和博官房副長官の国会招致は現実にはハードルが高いが、要求し続けることで「菅政権が逃げ回っていることを印象付けたい」(立民幹部)狙いがある。

 ただ、野党が一枚岩で共闘できるかは心もとない。政府、与党に対する提案型路線をアピールしたい国民民主党の一部は、衆院で立民などと組む共同会派からの離脱を主張している。社民党も立民との合流協議を巡り、分裂する可能性がささやかれている。

(森井徹、川口安子)

PR

政治 アクセスランキング

PR

注目のテーマ