実質無料で会社登記可能に 起業家支援へ福岡市「コロナ禍でも挑戦を」

西日本新聞 社会面 塩入 雄一郎

 福岡市は、新型コロナウイルスの感染拡大による景気低迷の中でも新規ビジネスに挑戦する起業家を応援しようと、会社設立の際にかかる登記費用を助成し、実質無料にする支援事業を始めた。市によると、コロナ禍で勤務先の将来を不安に思っている会社員や、休講が長引き自由時間を持て余している大学生からの起業に関する相談が急増しており、「苦しい中でもチャレンジをする人を後押ししたい」としている。こうした事業に乗り出した自治体は、九州では初めて。

 会社を設立する際には、資本金の額に応じた登録免許税の納税が必要で、最低額は株式会社で15万円、合名・合資会社では6万円。ただ、国は起業促進を目的に、経営や財務など創業に必要な知識を約1カ月かけて学ぶと、登録税を半額に軽減する特定創業支援等事業を実施している。

 市が9月下旬に創設した「新規創業促進補助金」制度は、国の事業で支援を受けた起業家が対象。登記後、株式会社に7万5千円、合名・合資会社には3万円を交付することで実質ゼロ円で登記できるようにした。

 市によると、新型コロナの国内感染が急拡大した4月から8月末まで、市の創業支援拠点「スタートアップカフェ」(中央区大名)に寄せられた起業に関する相談は1055件。前年同期(736件)に比べ約1・5倍に増えた。

 「コロナ禍で業績が悪化し、会社の先行きに不安を感じる」「リモートワークで家にいる時間が増え、このままでいいのか考えるようになった」と悩むサラリーマンや、授業が行われずアルバイト先も見つからない大学生から「起業に関心がある」との相談が相次いだという。会社を立ち上げ、補助金を申請中の九州大大学院生の竹内啓人さん(25)は「学生なので会社の登記が無料になる支援はとてもありがたい」と話す。

 スタートアップカフェでは、行政書士らが無料でアドバイスに応じており、市創業支援課の田中顕治課長は「コロナ禍で生活様式などが変わる中、社会課題を解決する新しいサービスが創出される可能性もあるのでは」と期待する。補助金活用の申請は来年3月31日まで受け付ける。問い合わせは創業支援課=092(711)4455。

(塩入雄一郎)

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ