あなたの玄関先へ移動スーパー うきは市吉井町で「発車」

西日本新聞 筑後版 渋田 祐一

 高齢や車を運転できないなど、いわゆる「買い物弱者」が多い福岡県うきは市吉井町福富地区などを回る軽トラックの移動スーパーが21日、発車した。刺し身やすし、総菜、肉、果物、市指定ごみ袋など約400品目1200点を満載し、登録した一軒一軒の玄関先まで行って販売する。公民館などに車を止めて、客を集める拠点販売と違い、利用者は足を運ばずに済み、足腰が悪い高齢者から歓迎の声が多く聞かれた。

 移動スーパーは、全国で事業を展開する「とくし丸」(徳島市)が、地域のスーパーと販売パートナー(運転手)にノウハウを提供し、うきは市ではAコープ九州(福岡市)と契約した。Aコープが運転手と契約して商品を提供。運転手は個人事業主として軽トラック代などの初期費用約400万円を用意する。

 運転手は、うきは市吉井町の岩下徳子さん(61)。訪問介護ヘルパーとして働いていた当時、買い物に行けないとの利用者の声を多く聞いたことから、「お年寄りを助けたい」と決断した。高額な初期費用に頭を悩ませたが、県、市からの助成金各150万円が活用できた。

 福富地区には、高齢化率が40%を超える行政区がいくつもあり、市平均の約34%を大きく上回る(9月30日現在)。岩下さんは8月下旬から約1カ月かけて、Aコープ九州移動スーパー担当の〓野(つるの)亜由美さんらと需要調査した結果、高齢者らを中心に需要が見込め、採算が取れると判断。営業開始のPRチラシを持ち、うきは市吉井町全域の約3500軒を戸別訪問した。地域や個人の要望に合わせた商品を積み、平日に全3コースを日替わりで回る。

 21日は午前6時すぎからAコープよしい店で、選んだ商品を車に積んだ。初日でもあり、〓野さんらAコープの職員3人も同行し、千年地区などの24カ所を回った。到着を心待ちにしていたという長尾菊子さん(87)は、弁当や野菜などを購入。「足が悪くて買い物に行けないので助かる。毎回利用したい」と歓迎していた。

 岩下さんは「単に売り上げを目指すのではなく、商品を売りすぎて利用者が捨ててしまうことがないように気を配りたい。ヘルパーの経験を生かして、高齢者の見守りの役割も果たしたい」と意欲を見せる。

 問い合わせはAコープよしい店=0943(75)2488。

(渋田祐一)

※〓は「あめかんむり」に「鶴」

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