苦難の歴史乗り越え…文具専門店「玉置」創業120周年

西日本新聞 筑豊版 長 美咲

 福岡県飯塚市の文具専門店「玉置」は今年、創業120周年を迎えた。玉置一貴社長(42)は「地元のみなさんに支えられてここまで来られた」と感謝する。創業以来、炭鉱業の発展とともに地域に根付いた店となったが、一方では戦争や大火、災害に見舞われる苦難の歴史でもあった。

 玉置は1900年、玉置社長の曽祖父・常蔵さんが直方市で創業、紙専門店「玉置紙店」を開店した。14年には飯塚町(現飯塚市)に移転。炭鉱町としてにぎわう東町商店街に店を構えた。

 戦時中は物資不足などから、「一時閉店を余儀なくされた」(玉置社長)。戦後は文具店として営業し、66年には商号を「玉置」に。宗像市などにも店舗網を拡大した。

 97年9月、同商店街で発生した約20店舗を巻き込む大規模火災では、店舗が全焼した。当時、東町店店長だった楪(ゆずりは)善之・現「文具のたまおき」本店店長(52)は、炎に包まれる店舗を目の当たりにして「足がすくんだ」。鎮火後の店内はほとんどの商品が焼失していたという。翌年3月、被災店舗の中で最も早く営業を再開。行列ができる大盛況で「客離れを心配していたが、『よく戻ってきてくれた』と声を掛けられ、うれしかった」と振り返る。

 2003年7月には飯塚市中心部を集中豪雨が襲い、東町の店舗も1階が浸水。翌年、約90年間営業した商店街から、同市徳前へ店を移転した。

 「より楽しんでもらえる店にしたい」と、11年には同市堀池に雑貨店「CuLuRe(クルール)」をオープン。16年に同所へ本店を移転した際には、カフェも併設した。パスタやパフェが「インスタ映え」すると女性客が増加。筑豊地区外からの来店もあり、新たな客層を獲得しているという。

 玉置社長は「小さい頃に来た人が、親になって子どもを連れて利用してくれている。今後も地域に根ざした店作りをしたい」と話している。

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 本店では、「創業120周年記念祭」のセールを開催中。オリジナルの万年筆など、多くの商品を2割引きで販売。ペンの詰め放題なども行っている。25日まで。午前10時~午後7時。同店=0948(22)2950。 (長美咲)

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