いじめ認知件数15年度から急増 地域差なお大きく

西日本新聞 一面 四宮 淳平

 文部科学省による2019年度の問題行動・不登校調査で、過去最多を更新したいじめの認知件数。千人当たりの件数は佐賀県が全国最少の13・8件だった一方、全国最多の宮崎県は122・4件に上り約9倍の開きがあった。前年度の約10倍からは縮まったが、地域間の差はなお大きい。

 認知件数は15年度から急増している。文科省が調査に際して同年、いじめ解消のためには初期段階からの積極的な認知が重要と、各都道府県に通知したことが背景にある。

 宮崎県は不登校や問題行動も含めた各学校の状況を毎月把握し、他校との件数差を見ながら認知を進めている。佐賀県は認知漏れがあるという前提で「適切な認知につながるよう周知を進める」との立場だ。ただ、認知件数が千人当たり19・7件と低水準の長崎県は「積極的に認知しており、多い少ないはあくまで結果」と強調する。

 こうした見解について、名古屋大大学院の内田良准教授(教育社会学)は「同じ九州内なのに県境をまたいだだけで、いじめが急増するという状況は考えにくい」と指摘。教育現場の声を日々聞くと、40人学級であれば年間数件はいじめが起き、全て認知すると千人当たり100件以上のいじめが起きているという「肌感覚」があるという。

 文科省も各都道府県への通知で「どの学校においても、一定数のいじめが認知されるのが自然」と明記している。いじめだと気付かれないまま、苦しんでいる子がいるかもしれない。見落としゼロへ向け、大人たちは子どもたちの姿に目を凝らし、声に耳を傾けなければならない。 (編集委員・四宮淳平)

佐賀県の天気予報

PR

佐賀 アクセスランキング

PR

注目のテーマ