北海道の寿都(すっつ)町…

西日本新聞 社会面 重村 誠志

 北海道の寿都(すっつ)町と神恵内(かもえない)村が核のごみ最終処分場選定を巡る文献調査に向け進んでいる。地域が衰退する中、2年間で国から交付される最大20億円が鍵になったようだ。

 16年前の熊本勤務時代、熊本県御所浦町(現天草市)が処分場誘致を巡り揺れた。18の島々からなる小さな町は、国の三位一体改革地方交付税が削減され財政が悪化、切羽詰まっていた。人材も金も乏しく自前の振興策はままならない。巨額交付金で町の未来を開こうと、議会が町長に誘致を迫った。結局は県などの反対で断念したが、「他に方法があるのなら教えてほしい」という町議の声は今も耳に残る。

 原子力発電を続ける限り増え続ける「核のごみ」は、放置できない。だが、放射性物質が十分に減るまで10万年スパンとされる課題の解決を、札束を見返りに地方に迫る手法は心地よいものではない。北海道の2町村の苦境は旧御所浦町と重なる。(重村誠志)

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