水俣一帯に風力発電計画 3事業者が64基 住民、健康被害など懸念

西日本新聞 熊本版 村田 直隆

 熊本県水俣市一帯の山間地で大規模風力発電所の建設計画が相次いで進められている。芦北町や球磨村など広範囲にまたがり、3事業者が風力発電機64基(最大出力計26万キロワット)の設置を見込む。着工や発電・売電の開始時期は未定。本格的な住民説明会はこれからだが、水俣市の住民有志は「自然破壊や健康被害の恐れがある」と懸念している。

 計画では、電源開発(東京)が、水俣市と鹿児島県出水、伊佐両市の県境に当たる山間部の尾根に高さ最大150メートル、ローター直径130メートルのプロペラ型風力発電機30基(出力12・9万キロワット)を設置。日本風力サービス(東京)は水俣市と出水市に19基(同6・84万キロワット)、再生可能エネルギー発電会社ジャパン・リニューアブル・エナジー(東京)が水俣市と芦北町、球磨村に15基(同6・3万キロワット)の建設を予定している。

 3社は、関係自治体に環境影響評価の第1段階となる「計画段階環境配慮書」を送付し、縦覧手続きを終えた。現在はいずれも第2段階の「環境影響評価方法書」の作成中で、来年以降に本格的な現地調査を行う見通しという。

 風力発電は、温室効果ガス排出量削減に資する再生可能エネルギーの一つとして全国で普及が進む。一方で、風車が回る際に発生する低周波音について、健康被害を心配する住民が反対し、頓挫するケースも少なくない。水俣市でも2009年、建設予定地だった鬼岳、石飛地区近隣に希少猛禽(もうきん)類のクマタカの営巣地が確認され、生態系に影響を与える恐れがあるなどの理由で計画が中止された。

 3社は、年内から年明けにかけて住民説明会を開くことを検討中。水俣市も「独自のガイドラインに沿って、事業者に対し必要な調査実施などの対応を求めていく」としている。

 一方、同市の市民団体「ちょっと待った! 水俣風力発電」は、水源や景観への影響のほか、騒音や低周波音による健康被害を懸念。今回の建設予定地の一部が、11年前の計画と重なることから、生態系への影響も心配する。

 市民団体は31日午後2時から同市牧ノ内のもやい館で、風力発電所問題を考えるシンポジウムを企画。和歌山県で低周波音が原因とされる被害を受けた住民の報告などが予定されている。

 (村田直隆)

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