ダムでの治水態度保留 熊本・相良村長「民意は千差万別」

西日本新聞 社会面熊本版 古川 努 中村 太郎

 7月豪雨で氾濫した熊本県南部の球磨川流域の治水策を巡り、蒲島郁夫知事は23日、相良村で意見聴取会を開いた。村は、12年前に蒲島氏が「白紙撤回」した川辺川ダムの建設予定地。かつて「脱ダム」の先陣を切った村には強硬な反対論もあるが、吉松啓一村長は「民意は千差万別」として態度表明を保留している。

 約20人が集まった村役場横の体育館。「ダムができれば地域は死ぬ」と強く訴える漁業関係者はいたが、多数を占めたのはダムの是非論ではなく「河道掘削と堤防のかさ上げ」だった。

 聴取会後、吉松村長は「実現が何年も先のダムより、村民は緊急性が高い対策に関心がある」と説明。その上で「あえてダムに触れない村民も多い」と言う。

 村は12年前、川辺川ダム建設推進で「一枚岩」だったはずの流域12市町村で最初に「反旗」を掲げた。この後、ダム治水の最大の受益地とされる人吉市も反対を表明し、蒲島氏の「白紙撤回」につながった。

 村は長年、国や県にダム以外の治水策として河道掘削と堤防のかさ上げを要望。遅々として進まなかったが、蒲島氏はこの日「河道の掘削は、みなさんの希望に添ってちゅうちょなくやる」とあっさり明言した。

 3月の村長選でダムに反対した前村長を僅差で破り、脱退していた「川辺川ダム建設促進協議会」に復帰した吉松村長。蒲島氏の発言について、「村長のダムへの姿勢が影響しているのか」との質問には答えず、こう強調した。「私は中道を保つ。国、県と条件闘争はしても対立はしない。治水策は知事の判断を待つ」

(古川努)

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