今年2月、担当していた警察署から…

西日本新聞 ふくおか都市圏版 小川 勝也

 今年2月、担当していた警察署から偽電話詐欺の被害を伝える広報資料が出た。警察官をかたる男がキャッシュカードにはさみで切り込みを入れて持ち去ったという。「切り込みで相手を信じ込ませる。珍しい手口で悪質だ」。取材した署幹部にそう言われたが、当時は記事化を見送った▼似た手口の被害が8月以降、県内で増えている。今月14日付の本紙夕刊で伝えた。12日までに県内の高齢者13人がカードを持ち去られ、被害額は2千万円を超える。原稿に数字を打ち込みながら、幹部の言葉を反すうした▼孫、家族、今後の生活…。被害額の裏にはさまざまな思いがあるはずだ。資料や数字に現れないものを想像できていれば、あの判断は変わっていたかもしれない。伝える責任の重さを改めて思う。 (小川勝也)

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