核兵器禁止条約発効へ 長崎市の被爆者ら「歓迎」平和祈念像前に200人

西日本新聞 長崎・佐世保版 坪井 映里香 徳増 瑛子

 核兵器禁止条約の批准数が発効に必要な50カ国・地域に達し、来年1月の発効が決まった。被爆地の長崎では25日、核廃絶を訴えてきた市民や被爆者らが喜び「核兵器なき世界」の実現を改めて誓った。一方専門家らは、米国の「核の傘」を理由に批准しない日本政府に、発効から1年以内にある締約国会議への参加など核廃絶に向けて努力するよう求めた。

 長崎市松山町の平和祈念像前には、条約発効の見通しとなり、署名活動などを続けてきた被爆者団体や高校生ら約200人が集合。「歓迎」と書かれた横断幕を掲げた。参加した高校生平和大使で高校2年の大隈ゆうかさんは「小さな声でも積み重なれば大きな目標を成し遂げられると分かり、勇気づけられた」。

 被爆者の一人で、語り部活動を続ける同市の下平作江さん(85)は長年、修学旅行生らに自らの被爆体験を伝えてきた。50カ国・地域の条約批准について「原爆の被害に遭えば、人間らしく生きることも、死ぬこともできない。この条約をきっかけに核の脅威を知ってほしい」と力を込めた。

 田上富久市長も同日、同市の国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館を訪れ、約18万人の原爆死没者名簿が収められた棚の前で黙とうして報告。記者団には「核兵器のない世界の実現に向けて諦めず、歩き続けたい」と述べた。

 批准が50カ国・地域に達し、長崎大で会見を開いた長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA)の吉田文彦センター長は「歴史的な一歩」と評価しつつ、日本が批准を拒み続けることを「核廃絶と距離を置いていたら橋渡しはできない。(発効後の)締約国会議にオブザーバー参加すべきだ」と強調した。

 この日、平和公園に京都府から観光で訪れていた井上后子(さきこ)さん(71)は「喜ばしいことだが、核兵器の恐ろしさを知っている日本が批准していないのは恥ずかしい」と語気を強めた。 (坪井映里香、徳増瑛子)

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