「温室ガス50年ゼロ」宣言 菅首相 初の所信表明 任命拒否触れず (2ページ目)

西日本新聞 一面 一ノ宮 史成 湯之前 八州

強権政治疑念払う説明を

 菅義偉首相の所信表明演説は自身の理念や哲学を脇に置き、国民に分かりやすい個別政策を並べたのが特徴だ。「庶民宰相」「働く内閣」のイメージが国民に好感されていることを意識したのだろう。「成果を実感していただきたい」という言葉に政権運営への自信がのぞく。

 だが国民目線の実務派リーダーへの期待感は急速に冷めつつあると言わざるを得ない。日本学術会議の会員任命拒否に象徴される「強権政治」「異論排除」への疑念だ。なぜ所信表明演説で触れなかったのか。納得してもらえるかどうかは別にして、国民に言葉を尽くして説明する姿勢は示すべきではなかったか。

 疑念の根幹にあるのはこれまでの政治姿勢だ。官房長官として第2次安倍政権を支えたが、毎日の記者会見では森友、加計(かけ)学園問題や「桜を見る会」など数々の疑惑を不可解な説明でかわし続けた。先の自民党総裁選では、政権の政策に反対する官僚は「異動してもらう」と公言している。

 首相はこの日の演説で、またも「秋田の農家出身」を強調した。だが難しい課題や自身への批判に向き合う覚悟がなければ、庶民性との落差は広がるばかりだ。初の国会論戦にどう向き合うのか。首相の資質を見極めたい。 (湯之前八州)

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