娘のためにリングに…女性版「ロッキー」撮影開始へ 舞台は北九州

西日本新聞 北九州版 白波 宏野

 北九州市八幡西区出身の映画監督、雑賀(さいが)俊朗さん(62)が地元を舞台にした映画「レッド・シューズ」の製作に乗り出す。来年から北九州市内でのロケ撮影をスタートし、一部のキャストは市内でオーディションを行って新たな人材発掘を目指す。「生まれ故郷で映画を撮りたい」という監督の長年の夢がようやく実を結ぼうとしている。

 映画は、夫を亡くしたシングルマザーが、幼い一人娘のためにボクサーとして再起する物語。娘の親権をめぐり義母と争う母親は、ボクシングのチャンピオンになって娘を取り戻そうと、リングで奮闘する。2022年に公開予定で、来年6月ごろから市内での撮影を本格化させる。

 主演や助演の俳優陣は内定しているが、セリフが付く一部のキャストを、市内で予定するオーディションで選考する。エキストラも募集するという。

 雑賀さんは東筑高(八幡西区)出身。2001年に監督デビューし、映画「チェスト!」(08年)で角川日本映画エンジェル大賞を受賞、「リトル・マエストラ」(13年)は上海国際映画祭に招待された。中国のアカデミー賞といわれる「金鶏百花映画祭」の国際映画部門で「カノン」(16年)が作品賞、監督賞、女優賞の3冠に輝いた。

 本作の原点は、雑賀さんが高校時代、小倉北区の映画館で見た米国のボクシング映画「ロッキー」(1976年)だ。興奮のあまり、八幡西区三ケ森の実家まで線路沿いを歩いた帰路、沿線の製鉄所の工場群を見ながら、ふと「この街でボクサーが立ち上がる話、いいよな」と思った。

 「地元でボクシング映画を撮る構想は(監督デビュー後も)いつも頭の片隅にあった」と雑賀さん。ボクシング映画といえば、主演は男性のイメージが根強いが、北九州市が女性活躍を推進していることもあって女性ボクサーを主役に決めた。作中には市内各地の名所を盛り込み、作品のヤマ場となる試合のシーンは、エキストラを集めて市総合体育館(八幡東区)で撮影するつもりだ。

 作品公開前には、国内外の映画祭にも出品する予定。雑賀さんは「ライフワークともいえるこの作品を、北九州の人たちに育てていただきたい」と意気込む。

(白波宏野)

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