家庭教師もオンラインで個別指導 九工大生が企画、地域の中学生に

西日本新聞 筑豊版 長 美咲

 九州工業大情報工学部(福岡県飯塚市)の学生が、地域の中学生向けにオンラインで勉強の個別指導をするサービス「オンゼミ」を始める。大学生が勉強を教えながら、自らが通う学校の魅力も伝えることで「高校卒業後に地元大学に進学し、地域に定着する仕組み」を目指している。11月から試験運用を始め、来年の春休みに合わせた春期講習からの本格始動を予定している。

 サービスを考案したのは同大2年で塾講師のアルバイト経験がある砂本樹矢さん(20)。既存の学習塾では時間の融通が利かないため、遠方からの通塾生や部活生が授業に間に合わないケースが多いことや、設備費や教材費などコストがかかり、生徒の経済的な負担が大きいことなどに問題意識を持っていた。他の学習サービスとしては、教育大手の通信講座などがあるが、砂本さんは「一人一人に合わせた授業ではなく、配信型で質問がしにくい」と考えていた。

 「新しいものを作って生活を変えることに魅力を感じる」という砂本さんは、大学内で立ち上げた起業サークルの代表も務める。学習塾と通信講座の「いいとこ取り」ができる仕組みを検討し、生まれたのが「オンゼミ」だった。

 「オンゼミ」では、通塾が不要で開始時刻は生徒の都合に配慮する。教室を持たず、自分の教科書や参考書を教材とするため特別な費用はかからない。学習のペースや内容は、個別指導により生徒に合わせるという。これらにより「近くに塾がない人や、経済的に苦しい人に対する教育格差解消にもつなげたい」としている。

 中学生の時、塾で九工大生の講師に出会ったことが同大を目指すきっかけの一つになったという砂本さん。一般的な塾は「ゴールが高校受験で、その先を見据えた指導ができていない」と感じていたという。新たなサービスでは講師に地元学生を採用。自らの学校の魅力を中学生に伝えることで、地元大学への進学希望者が増え、若者の流出を防ぐことを目標としている。

 11月の試験運用期間は砂本さんが1人で講師を務め、年明けには会社を設立して講師や生徒を増やす予定。来秋には九州大の講師を雇用して福岡地区にも進出し、将来的には全国展開も目指す。事業には、学生主催の市民交流を対象とした「つなぐカフェ@飯塚」の助成金を活用している。

 「オンゼミ」の指導は1回120分。月4回で月額1万2千円。講師1人につき生徒は2人で、受講の際はカメラ付きのタブレットかパソコンを用意する。試験運用期間は授業料が半額で、飯塚市の中学1、2年生が対象。教科は数学と英語。現在、5人程度の受講生を募集している。問い合わせや申し込みはオンゼミ=https://www.onlineseminar100.info/まで。

(長美咲)

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