世の中の先行きを読むのは難しい…

西日本新聞 オピニオン面

 世の中の先行きを読むのは難しい。突然の出来事で流れが一変したり、思わぬ副産物が生まれたり。政府の統計を見ていても、つくづく思う

▼例えば、生まれる子どもの数(出生数)。今年は統計開始以来最少だった昨年の86万5千人よりさらに減って84万人前後にとどまる見通し。少子化の加速を「86万ショック」と表現してきた政府にとって2年続きのショックだ

▼昨年の「令和婚ブーム」の余勢で、今年は婚姻、出産ともに増加が期待されていた。それがコロナ禍で暗転。1~8月の人口動態統計速報値によると、婚姻は前年同期比5万3千件減、出生は同1万4千人減と低調だ

▼婚姻の延期などに加え、「産み控え」もあるようだ。感染への不安が急速に広がった5~7月の妊娠届の件数は前年より1割以上減った。ただ、ほかにも見逃せない数字が

▼昨年、戦後最多の138万人に達した死亡数。こちらは8月末現在で前年同期比マイナス1万8千人のペース。呼吸器系の病死や不慮の事故死の減少が目立つ。マスクの着用や外出の自粛が功を奏したのか。今秋は現時点で季節性インフルエンザの流行も未確認

▼離婚は同じ前年同期比で1万4千件減。在宅時間が増えて夫婦関係が改善する例もあると聞く。コロナの社会への影響は多様で、そこには悲喜こもごもの人生模様もある。日々の報道に勝手な思い込みや予断があってはならない、と自戒する。

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