日本で最強の“鬼”とは?伝説の地を訪ねてみると…
「
頭には角、丸い目玉に鋭い牙。筋骨隆々でこん棒を握りしめる、鬼。秋田では大みそかに「なまはげ」が現れる。正月になると九州各地で「鬼火」が行われ、太宰府天満宮では「鬼すべ」。節分には、大分・国東半島で
§
2014年に最も注目を集めたテレビCMには鬼が登場する。炭酸飲料「ペプシNEX ZERO」のCMは、俳優小栗旬さん
スマートフォンのアプリ「鬼から電話」は2012年の発売以降、760万以上のダウンロードを記録している大ヒット商品だ。起動すると鬼から電話がかかり、牙をむきだしにした鬼が「もしもしあかおにです。お子さんに電話代わってもらってもいいですか」。徐々に機嫌が悪くなり「こら! なんで言うこと聞かないんだ!」と激高。最後には「今からお家に迎えに行くから待ってろな」と脅す。制作したメディアアクティブ(東京)の佐々木孝樹社長(35)は秋田出身で、幼少期の経験が開発のきっかけという。「言うことを聞かないと親から『なまはげが来るぞ』と言われた。鬼は怖い存在。親たちは代々語り継いできたんです」と語る。
「『鬼の主任』はやっぱり鬼でした」。昨年10月、福岡市であった外国人技能実習生対象の日本語作文発表コンクール。中国出身の
人を「鬼」に見立てた比喩表現も移ろう。漫画「アタックNo.1」には鬼コーチ、ドラマ「スチュワーデス物語」には鬼教官がいた。プロ野球ヤクルト、近鉄で活躍したマニエルは「赤鬼」と異名をとった。人気ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」は1990年に始まったが、全シリーズが4年前に終わった。徒弟制度が色濃く残ると言われる新聞社だが、職場を見回しても原稿用紙を破り捨てるような鬼上司は少なくなったような気がする。