豊肥線乗り入れ目指す 南阿蘇鉄道再生協 JRと協議へ

西日本新聞 熊本版 綾部 庸介

 2016年の熊本地震で被災した第三セクター南阿蘇鉄道(熊本県高森町)の沿線自治体などで構成する南阿蘇鉄道再生協議会は27日、23年夏の全線開通に合わせて、立野駅(南阿蘇村)を経由し、JR豊肥線の肥後大津駅(大津町)への乗り入れを目指すことを確認した。今後JR九州と協議する。

 同鉄道は現在、高森(高森町)-中松(南阿蘇村)の7・1キロ区間で運行しており、22年度中に中松-立野間10・6キロの復旧工事を完了させる見通し。協議会では、熊本-肥後大津間の運行本数が多いことなどを踏まえ、JRへの乗り入れが「住民の利便性と観光振興につながる」と判断した。

 県の試算では、乗り入れに必要な事業費は車両や信号機の改良、JR側のシステム改修など約4億2千万円で、高森町と南阿蘇村が折半で負担する。実現した場合は移動時間が約7分短縮し、年間利用者は約6万8千人の増加が見込まれる。JR九州からは「技術的には可能」という回答を得たという。

 協議会後の会見で、南阿蘇村の吉良清一村長は「通勤・通学者の利便性が向上し、観光客の経済効果も期待できる」と話し、高森町の草村大成町長も「地震前に増えていた南阿蘇地域への観光客流入を加速させたい」と強調した。

 また、同協議会は南阿蘇鉄道の経営基盤強化のため導入した「上下分離」方式に伴い、鉄道設備を保有する新組織として南阿蘇鉄道管理機構(仮称)を22年度に設立することも決めた。施設の維持管理費は高森町と南阿蘇村が2分の1ずつ負担。新たな整備費用が生じる場合は国が2分の1、県が3分の1、残りを両町村が折半して負担する。 (綾部庸介)

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