枝野氏、質問より政策アピール 支持率低迷打破へ「発信力」演出

西日本新聞 総合面 川口 安子

 28日の衆院代表質問のトップバッターとして立った立憲民主党の枝野幸男代表は、次期衆院選をにらみ「所信表明演説」(幹部)と位置付け、目指す国家の在り方や党の政策のアピールを展開した。150人の最大野党となったものの、政党支持率は低迷したまま。発信力不足の課題克服を優先するのが狙い。ただ「初舞台」の菅義偉首相は素っ気ない回答を繰り返すばかりで、最後まで議論はかみ合わなかった。

 枝野氏は冒頭、コロナ禍で収入源を失った大学生や困窮するシングルマザーの言葉を引用し、首相の姿勢をただした。

 「ことさら『自助』を口にする総理に、声を上げようにも上げられない、こうした実態が見えているのでしょうか」

 デジタル庁や携帯電話料金の引き下げなど「菅カラー」は国民目線の改革イメージが強い。野党側には、個別政策では“攻撃”しにくい面がある。枝野氏は理念や政策を訴えることで、首相の演説との違いを印象づけることを狙った。

 遊説で訪れた佐賀県小城市の農家のエピソードを交えながら、戸別所得補償制度や「自然エネルギー立国の推進」、介護人材の賃金底上げなど、約33分の質問時間の半分近くを自らの政策の訴えに費やした。

 背景にあるのが「批判ばかりでビジョンが見えない」との逆風だ。共同通信の世論調査では、9月15日の新党結成以降も政党支持率は6~7%台と低迷。召集直後には国民民主が共同会派を離脱し、野党共闘に不協和音が響いた。国会論戦に向け、連合の神津里季生(こうづりきお)会長からは「主体的な考え方を目立つようにしていく必要がある」と注文されていた。

 代表質問の最後。枝野氏は父親の勤め先が倒産したエピソードを紹介し、首相の国家ビジョンを問いただした。「日本をどんな未来へと導こうとしていますか」。これに対し、首相は「自助・共助・公助、そして絆です」と同じフレーズを繰り返した。

 代表質問後、枝野氏は記者団に「(首相は)ほとんど正面から答えていなかった。明確な理念とビジョンのあるわれわれと、それがない菅政権というのが明確になった」と胸を張った。 (川口安子)

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