中洲で感染者出たら…九州全県に波及 「歓楽街」対策に集中検査を 政府WG

西日本新聞 総合面 河合 仁志

 「福岡市・中洲で新規感染者が1人出た場合、12日後に福岡市を除く福岡県では2・3人、熊本県では1・1人の感染者が出る」―。新型コロナウイルス感染症対策を検討する政府のワーキンググループ(WG)は29日、こんな報告書を公表。抑止には、ウイルスを拡散したり中継したりする拠点となる「歓楽街」対策が不可欠だと重ねて呼び掛けた。

 7~8月の感染再拡大は東京・歌舞伎町に発し、地方の拠点都市の歓楽街を中継し、家庭や職場を通じて周辺地域に広がっていったとされていたが、因果関係が明確に認められたのは初めて。報告書を踏まえ政府は歓楽街で、集中(PCR)検査態勢の充実▽相談窓口の設置▽保健師などの応援派遣による保健所機能強化―に取り組む。

 全国5カ所の歓楽街を分析した報告書によると、9月の平日夜に中洲を訪れた人は1日当たり約5500人。ほとんどが福岡市内、福岡県内居住者で、一部に東京や大阪方面からの出張者が含まれ、九州の他の6県からも計100人程度が訪れていた。

 試算の結果、中洲で新規感染者が発生すると九州全県に感染が波及し、そのピークは12日後に来ることが分かった。また、中洲へ流入したウイルスは、歌舞伎町と大阪・ミナミからもたらされたものと認定された。

 5カ所中、歌舞伎町のウイルス拡散が最も深刻で、新規感染者1人を起点とし、ピークとなる33日後に新宿区を除く都内で7・8人の感染者が発生していた。隣接する千葉、埼玉、神奈川各県にもそれぞれ、35~41日後に1・2~1・8人の新規感染が出ていた。

 報告書は、中洲の感染者数が7~8月の増加傾向から減少に転じた理由について、(1)接待を伴う飲食店などの利用時間を短縮するよう福岡県が要請した(2)福岡市が市全体の検査数を増やした-ことが奏功したと指摘。西村康稔経済再生担当相もこの日、歓楽街で新規感染者が増え始める兆候を早期に察知し、飲食店500店を対象に1週間当たり千件の集中検査を実施すれば、2週間後には感染者数が約80人減るとの試算を報告した。

(河合仁志)

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