自民・石破派の混迷深まる 会長不在、「集団移籍」のうわさも…

西日本新聞 総合面 湯之前 八州

 石破茂元幹事長が会長を辞任した自民党の石破派(水月会、19人)が混迷を深めている。「石破氏を首相にするための派閥」には後任が見つからず、毎週木曜の例会は取りやめに。他派閥への集団移籍や、特定の総裁候補を推さない「グループ」への衣替えなどのうわさも飛び交う。来秋の次期総裁選への出馬意欲を失っていないとされる石破氏だが、果たして…。

 木曜の29日正午、通常なら例会が始まる時間。石破派の当選3回を中心とした約10人が、議員会館の一室で顔を並べた。「何も情報が入らないから」と出席者。派の現状を報じた新聞のコピーが配られ、「やっと正確な状況を共有できた」のだと話す。

 担ぐべき「みこし」である石破氏は前週、領袖(りょうしゅう)の座を自ら手放した。急展開の背景を、幹部は「会長のまま離脱者が相次ぐと、総裁候補としての資質に傷が付くと考え、辞任を勧めた」と打ち明ける。石破氏は側近の鴨下一郎元環境相を後継指名したが、鴨下氏は固辞。幹部たちもわれ先にと役職を返上する意向を明らかにした。

 取り残された若手議員らは、この日の例会で派の今後を話し合うものとばかり思っていたが、前日28日に中止の通知を受けた。混乱の表面化を避けるための措置とみられるが、中止を誰が決めたのかもその理由も伝えられなかった。

 第2次安倍晋三政権に与党内から批判を続け、9月の総裁選で最下位に敗れた石破氏。多くの所属議員は「石破派にいる限り冷遇され、地元の予算獲得にも響く」と支持者に突き上げられている。大臣待機組ら複数のベテランが離脱を検討しており、他派閥からの引き抜き工作も激しさを増しつつある。あるメンバーは「移籍しようが抜けて無所属になろうが、自由にしてという雰囲気。もはや派閥の体をなしていない」。

 当の石破氏は28日、国会の代表質問を巡る記者団の取材に応じたが、石破派に関する質問は受け付けなかった。辞任後に接した複数の関係者は、次期総裁選に「出馬すると理解した」と話すが、よって立つ足場は崩壊の速度を速めている。

(湯之前八州)

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