中国、GDP「中等先進国」目指す 長期目標採択、5中総会閉幕

西日本新聞 国際面 坂本 信博

 【北京・坂本信博】中国共産党の重要会議、第19期中央委員会第5回総会(5中総会)が29日閉幕した。世界経済と連携しながらも、国内経済の循環を柱に成長を図る新戦略「双循環」で、2035年までに1人当たりの国内総生産(GDP)を「中等先進国の水準」に引き上げる長期目標を打ち出した。習近平総書記(国家主席)の後継につながる重要人事は発表されず、2年後の党大会以降も習氏続投の流れが強まった。

 総会では、経済運営の指針となる第14次5カ年計画(21~25年)と、35年までの長期目標の基本方針を採択した。長期目標の採択は、1995年の江沢民指導部以来25年ぶり。35年は習氏が掲げる国家目標「社会主義現代化を基本的に実現」する年限で、「習氏が超長期政権を担う意欲の表れ」(外交筋)との見方が強い。

 29日に発表された5中総会のコミュニケは、新型コロナウイルスの感染拡大や米中対立の激化を念頭に「国内の大循環を主体とし、国内と国際の双循環が互いに促進する新たな発展構造を築く」と表明。ただ、長期目標に数値は盛り込まず「GDPが中等先進国の水準に達して中間所得層が大幅に拡大する。基本的な公共サービスが平準化し、都市と農村の格差が大幅に縮小する」との表現にとどめた。中国の1人当たりのGDPは昨年初めて1万ドル(約104万円)を突破したものの、米国の2割に満たない現状を踏まえた目標設定とみられる。

 中国経済は2四半期連続のプラス成長でコロナ禍の打撃から回復基調にある。ただ、成長率は第13次5カ年計画(16~20年)の目標の「6・5%以上」を下回ることが確実視されている。新5カ年計画の成長率目標はこの日は公表しなかった。習氏が9月の国連総会で表明した「60年までに二酸化炭素(CO2)排出量実質ゼロ」への工程についても、コミュニケに具体的な表記はなかった。

 長期目標に掲げた35年は中国建国の父である毛沢東が最高指導者のまま死去した満82歳に、習氏がなる年でもある。シンガポール紙ストレーツ・タイムズは、共産党が22年の党大会で最高指導者ポスト「党主席」を1982年以来40年ぶりに復活させ、習氏が就任する見通しと報じた。

 

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