GoToイート、お得なのは一部だけ?恩恵に偏り 「都会ほど有利」憤りも

西日本新聞 一面 山本 諒 仲山 美葵 具志堅 聡

 新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた飲食業界を支援する「Go To イート」キャンペーンのうち、グルメサイト経由で予約するポイント付与事業が1日に始まって約1カ月。そもそも対象店が少ない地方部などでは、利用機会が限られる状況が続く。小規模店ではサイト側に支払う手数料が負担となるなど恩恵に偏りが生じている。

 ポイント付与事業は「ホットペッパーグルメ」「食べログ」「ぐるなび」など13のグルメサイトで予約すると、次回利用時に同じサイトで使えるポイント(昼食500円分、夕食千円分)が付く仕組み。616億円の予算が充てられる。

 大手グルメサイトの一つで福岡県内の対象店を検索すると、約1900店がヒットする。その8割超は福岡市と北九州市に集中し、10店未満やゼロの市町村もある。福岡県香春町の団体職員の男性(35)は「近くに対象店がないので一度も使ったことはない。都会ほど有利な仕組み」と憤る。他のサイトでも対象店はおおむね都市部に集中する。

 店側にも不満がくすぶる。「売り上げが上がった実感はまったくない」と肩を落とすのは熊本市で居酒屋を営む男性(43)だ。コロナ禍で来店客数は前年の半分ほどに落ち込み、イート対象の予約サイトに登録した。

 各サイトはイート期間限定で基本情報の掲載料を無料としているが、予約を増やすための付加サービスなど、プランによっては月数万円の掲載料がかかる。男性は無料プランを利用したが、集客には結び付かなかった。「使い方を教えた常連客以外の予約は入らず、掲載無料期間が終わればやめるつもり」と明かす。

 多くの予約サイトは、客1人当たり昼食100円、夕食200円などの「送客手数料」も設定する。もともと客単価の低い飲食店にとっては利益を圧迫する要因になる。長崎県内の料理店の男性経営者(62)は「700円のちゃんぽんから送客料など取られたら利益はほとんどない。参加しない方がいい」。

 客が予約人数を水増ししてポイントを不正に稼がないよう、実際の来店人数をサイト側に通知するなど店の手間がかかるのも不評だ。

 帝国データバンク福岡支店の晨(はやし)智海氏は「ネット対応ができていない地方の高齢者経営の店などが活用しづらく、大手やチェーン店に恩恵が偏りやすい。逆に小規模店の集客機会を奪い、閉店や廃業につながる懸念もある」と指摘する。

(山本諒、仲山美葵、具志堅聡)

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