“二重行政”感じていない 福岡、熊本の首長ら、方向性に違いも

西日本新聞 総合面 豊福 幸子 大坪 拓也

 「大阪都構想」の住民投票(11月1日)を前に、九州の3政令市長と政令市がある福岡、熊本両県の知事計5人に県と政令市の関係を尋ねたところ、全員が「二重行政は感じていない」と回答した。大都市の在り方を巡っては、福岡、北九州両市が、権限や財源を大幅に強化する「特別自治市」を志向する一方、熊本市は「現行の政令市制度の継続が基本」と回答、3政令市で方向性に違いが出た。

 西日本新聞が、書面によるアンケートを実施した。大阪都構想については、5人とも「地域の実情が異なる」などとして評価を避け、大阪のように政令市廃止を目指す自治体はなかった。大阪都構想は大阪府と大阪市の仕事が重複する二重行政の解消などを目的としているが、「無駄遣いにつながる二重行政はない」(北九州市の北橋健治市長)などの回答があった。

 特別自治市について、福岡市の高島宗一郎市長は「真に広域自治体が担わなければならない役割以外の全てを大都市の役割とする制度。大都市の自由度を拡充する権限・税財源の移譲や行政運営の効率化、住民サービスの充実の効果が期待される」と強調。これに対し、福岡県の小川洋知事は「特別自治市が市域内のすべての地方税を賦課徴収することで、周辺自治体に対する県の行政サービスが低下する懸念がある」などと指摘した。

 都道府県を再編する「道州制」は、福岡の3首長が賛成し、小川知事は「国と地方の役割分担を見直していく必要があり、地方分権が進んだ究極の姿が道州制だ」。熊本の2首長は「十分な議論が尽くされておらず、慎重な検討が必要」(熊本市の大西一史市長)などとして賛否を示さなかった。

 知事、市長の連携は、5人とも「よく取れている」「取れている」と回答。熊本県の蒲島郁夫知事は「90点」と点数を付けた。

 新型コロナウイルス対応では、熊本は県市合同で専門家会議を設置しスムーズに連携した。一方、福岡では調整不足が露呈する場面も。福岡市が4月、入院患者1人当たり30万円を医療機関に助成する制度創設で先行し、張り合うように県と北九州市も同内容の支援を決定。両市では他市町村の倍額の受給が可能になり、批判を受けた県が両市を対象外とする方針転換を迫られた。県幹部は「もっと早くから連携すべきだった」と振り返る。

(豊福幸子、大坪拓也)

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