「ハンセン病の反省生きず」 東京で追悼式典、コロナ中傷に言及

西日本新聞 社会面 久 知邦

 国の不当な隔離政策の犠牲になったハンセン病元患者らを追悼し、名誉を回復する政府主催の式典が29日、東京・霞が関の厚生労働省であり、参列者が「追悼の碑」に献花した。新型コロナウイルス感染者や医療従事者らへの差別問題を受け、ハンセン病違憲国賠訴訟全国原告団協議会の竪山勲事務局長(71)は「ハンセン病問題の反省が生かされていない」と訴えた。

 昨年11月に、元患者家族に最大180万円を支給する補償法が施行されてから初の式典。田村憲久厚労相は、国会対応のために欠席した。代読された式辞で、田村氏は元患者だけでなく長年差別に苦しめられた家族にも謝罪し、「偏見や差別を根絶するため不断の努力を続けていく」とした。

 式典では、竪山事務局長や家族訴訟原告団の黄光男(ファン・グァンナム)副団長(65)のほか、遺族代表の九州の女性が元患者の父が原因で差別された経験を語った。女性はいまなお差別や偏見への恐れが拭えないとして、氏名の公表や撮影を拒んだ。

 厚労省によると、全国13カ所ある国立療養所の入所者は1090人(5月1日現在)で平均年齢は86・3歳と高齢化が著しい。式典は例年6月に開かれているが、新型コロナの感染拡大を受けて延期されていた。

(久知邦)

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