「買い物できて楽しい」高齢者喜び 斜面多い佐世保で移動支援

西日本新聞 長崎・佐世保版 平山 成美

 社会福祉協議会の福祉車両を使った高齢者の移動支援が今月、斜面地が多い長崎県佐世保市小佐々町で始まった。運転や介助を買って出たのは町内の住民有志。利用する高齢者から「買い物ができて楽しい」と喜びや感謝の声が広がっている。

 ボランティア団体「こさざ・すまいる会」が佐世保市社協の福祉車両(10人乗り)を空き時間に無償で借り、運転手や添乗員を務める。買い物などの移動支援をするのは原則水曜日。15人の高齢者が利用登録し、10月は5回の運行で延べ30人が乗車した。

 利用者の一人、冷水地区の林ハツ子さん(90)は「外に出る機会が増えた」と喜ぶ。6月に運転免許を返納してから、外出がめっきり減った。自宅は急な斜面の上。最寄りのバス停まで、つえをついて歩いて20~30分かかる。坂道で転んでけがをした人も近くにいる。

 すまいる会の手助けで買い物に出掛けたときは、肉や魚、総菜など1週間分の食品とヘアカラーリング剤を購入した。「店へ行かんと時代遅れになる。あれもある、これもある、どれを買おうかって、考えるのが楽しいね」。週に1度の利用が楽しみな様子だ。

 矢岳地区で暮らす松井淳子さん(81)は1日の初便を早速利用し、精肉店やスーパーを回った。「足が痛いので、こうして連れて行ってくれるのはありがたい」と笑顔を見せた。

 佐世保市ではバス路線の再編が進んでおり、市は公共交通が不便な地域に、自宅と最寄りのバス停を結ぶ乗り合いタクシーを導入している。市社協は福祉車両の活用を小佐々町以外の地域にも広げる方針だ。

 高齢者の移動支援は、健康維持や近隣住民との関係づくりにも効果がある。すまいる会の鴨川幸次会長は「この取り組みを佐世保市全域に拡大するため、小佐々地区で必ず成功させる」と話した。

(平山成美)

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