神様になった警察官…

西日本新聞 社会面 野村 創

 神様になった警察官が佐賀県唐津市肥前町にいる。明治時代、コレラが大流行する高串地区に派遣され、自らも感染し25歳で亡くなった増田敬太郎巡査だ。増田巡査は感染を恐れる住民に代わり、不眠不休で遺体を埋葬し患者を隔離した。死後、コレラが収まったことから、住民は神社を建立し遺徳をしのんでいる。

 先日、住民が造った増田巡査の山車が佐賀市で開かれる「さが維新まつり」で展示されると聞き、出発式を取材した。住民たちはまつりを前に3週間かけ山車を修復。山車に載った増田巡査の人形に、「敬太郎さん」と親しみを込めて話し掛けるおばちゃんもいた。「地域の存続は巡査のおかげ」と、死後120年以上たっても慕い続ける地域の人たちに頭が下がった。

 新型コロナ収束の出口が見えない中、最前線に立つ医療従事者の献身的な活動が続く。「感謝の心を忘れるな」-。高串の住民にそう教わった気がした。 (野村創)

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