朝鮮学校無償化訴訟、二審も卒業生敗訴 福岡高裁判決 弁護側は上告検討

西日本新聞 社会面 森 亮輔

 国が朝鮮学校高校無償化の対象外としたのは違法として、九州朝鮮中高級学校(北九州市八幡西区)の卒業生68人が国に計748万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁(矢尾渉裁判長)は30日、一審福岡地裁小倉支部判決に続き「(国が)裁量権の範囲を逸脱し、乱用した違法性があるとはいえない」として、卒業生側の請求を退けた。

 全国5地裁・支部に起こされた同種訴訟で、最後の高裁判決。2017年7月の大阪地裁判決のみ国の判断を違法としたが、大阪高裁で覆り、最高裁で原告側の敗訴が確定した。東京と愛知の訴訟も最高裁で原告側の敗訴が確定した。広島訴訟は16日、広島高裁が原告側の控訴を棄却し、原告側が上告している。

 昨年3月の小倉支部判決は、公安調査庁の調査結果などを踏まえ「(無償化により、学校に支給される)就学支援金が授業料に充てられる十分な確証が得られない」と指摘。福岡高裁の矢尾裁判長も、判決理由で「朝鮮高校の教育内容は朝鮮総連からの『不当な支配』を受けている合理的疑念がある」と認め、九州朝鮮中高級学校を対象外とした国の判断は「不合理とまではいえない」と結論づけた。

 判決後、原告側弁護団長の後藤富和弁護士は「権力におもねるだけの非常にみっともない極めて不当な判決だ」と述べた。上告を検討するという。

  高校無償化制度は10年に当時の民主党政権が開始。自公政権の13年、下村博文文部科学相(当時)が省令改正し、無償化の対象外とした。

(森亮輔)

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