首里城の精巧な模型制作 大野城の男性「一日も早く再建を」

西日本新聞 ふくおか都市圏版 上野 洋光

 福岡県大野城市の梅野春幸さん(79)が1年前に火災で焼失した首里城正殿(那覇市)の模型を制作した。立面図や写真資料を基にした精巧な作りは圧巻だ。観光で首里城を訪れたこともあった梅野さんは「本物も一日も早く再建してほしい」と願っている。

 梅野さんは工務店を経営していたが、59歳のとき、長男に事業を引き継ぎ、念願だった趣味の木工芸に打ち込み始めた。当初は皿やコップ、置物を作っていたが、物足りなくなり、2011年に祭壇を、翌年には瑠璃光寺五重塔(山口市)、14年に田川市の川渡り神幸祭の御神輿を制作。16年の熊本地震で被災した熊本城(熊本市)も作った。

 10作目となった首里城の制作は、別の模型を大野城市で展示中に来場者から「火災で燃えた首里城も作ってほしい」と求められたのがきっかけ。早速、図書館で建物の詳細な図面や写真が載った資料を探し、歴史的な背景も学んだ。

 制作期間は8カ月で模型は実物の30分の1(縦1・1メートル、幅1・25メートル、高さ75センチ)。内部が見えない1階にも86本の柱を建て、忠実に再現した。屋根の両端にある鬼瓦は彫刻刀で木片を削って作った。正面の柱には竜が描かれているが、手持ちの写真では裏の構図が分からなかったため、現地に問い合わせ、資料を取り寄せた。

 「せっかくだったら、本物に限りなく近いものを作りたい」。およそ7千の部品は一つずつ、木のかけらを切ったり、削ったりして作った。格子の部分はのこぎりで木片をそぎ、形の良いものを選び、木工用接着剤で貼り付けた。いずれも根気のいる精緻な作業だ。

 首里城は琉球文化の象徴-。「戦うための城とは異なり、外国からのお客を歓迎するためのもので、開放的な建物だと思った」。沖縄の現地でも展示できれば、と考えている。

 梅野さんが制作した作品は大野城市御笠川2丁目の「うめの工房」で無料で観覧できる。

(上野洋光)

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ