老舗ラーメン店、いったん終止符 しばしの別れに行列絶えず 久留米

西日本新聞 筑後版 平峰 麻由 玉置 采也加

 1955年創業の老舗ラーメン店「沖食堂」(福岡県久留米市篠山町)が31日、65年の歴史にいったん終止符を打った。来年の5月に新装オープンするまでしばしのお別れを前に、会員制交流サイト(SNS)や口コミで閉店を知った客が駆けつけ、店は終日、行列が絶えなかった。

 店主の小川伸夫さん(65)は、先代の沖義信さんの娘婿として、37年前に店を継いだ。定休日の日曜祝日以外は、毎朝4時半に起きて仕込みをした。豚骨を大鍋に入れてとった濃厚かつ臭みのないスープ、柔らかい麺が特徴のラーメンは、老若男女に愛された。

 店は、小川店主のおいの川口渡さん(57)が跡を継ぐ。もともと会社勤めだった川口さんに「自分ももう年だ。店を継がないか」と声を掛け、ラーメン作りを一から教えている。

 この日は、開店30分前から行列ができた。この日に合わせて熊本県南関町から来た客の姿も。近くの明善高卒業生の50代女性は「高校生の時には、学校を上履きのまま抜け出して食べに来ていた。ここは青春の思い出の一コマです」となつかしそうに話した。

 小川さんはいつも通り、一杯一杯丁寧にラーメンを作り、時に常連客と言葉を交わした。「ごちそうさま」と名残惜しそうに店を出る客に「ありがとうございました」と答えた。

 午後3時半前に店を閉めてからも、あいさつにやってくる客の姿があった。

 新店は、現在の駐車場に、来年5月オープン予定だ。十数年前に無くなった人気メニューの「焼きめし」も復活する予定。小川さんも調理場に立つ。小川さんは「今後も沖食堂をよろしくお願いします」と笑った。 (平峰麻由、玉置采也加)

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