福岡市・天神の交差点…

西日本新聞 オピニオン面

 福岡市・天神の交差点。歩行者信号に青がともると童謡のメロディーが流れる。通りゃんせ、通りゃんせ…。音に合わせて人の波が動きだす

▼音響式信号機という。目の不自由な人に信号の色を知らせるための装置だ。誘導音はメロディー式と、「カッコー」「ピヨピヨ」などの擬音式の2種類。全国に2万基以上あり、メロディー式は約2%だそうだ

▼点字ブロックとともに、目の不自由な人が街を歩く際の心強い味方だが、課題もある。誘導音がうるさい、という苦情が近隣住民から寄せられ、多くの信号機で夜間や早朝は音響機能が停止されているのだ

▼警察庁がスマホの音声や振動で信号の色を伝えるシステムを大規模に導入する。専用のアプリをダウンロードしたスマホに、信号機に取り付けた機器から近距離無線通信で信号の情報を送る仕組みだ

▼スマホを使った支援システムは、ことし3月末現在、全国74カ所で運用されている。これに加え、来年3月末までに約130基、来年度は約2千基を設置する方針だ。大都市の中心部や病院、盲学校、公共施設の周辺など、支援が必要な人がよく利用する場所に優先的に配備する

▼一昨年、東京・豊島区の横断歩道で未明、目の不自由な男性が車にはねられて亡くなった。歩行者信号は赤で、音響装置は鳴らない設定だったという。そんな事故をなくし、行きはよいよい、帰りも怖くない-街にしたい。

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