病院の臨床試験(治験)の…

西日本新聞 社会面 井上 真由美

 病院の臨床試験(治験)の審査委員を務めている。月1回、医師や薬剤師ら関係する多くの職種の人が集まって議論。計画からの逸脱や異変は細かく報告され、患者への説明文書はリスクも明確に伝わるよう精査する。治験とは、患者の協力を得て効果や副作用を確かめる実験の面が否めない。安全を最優先する責任の重さを痛感している。

 翻って、世界中で開発競争が続く新型コロナウイルスのワクチン。米大統領は選挙戦の“道具”として開発を急がせる。日本政府も、高齢者や医療関係者から接種を始めるなどの体制整備を急ぐ。一方で、米英の製薬会社の治験は参加者に「原因不明の病気」「原因不明の症状」が起きたとして一時中断した。

 感染蔓延(まんえん)を防ぐため、ワクチンや特効薬の開発は急務。かといって安全が置き去りにされては意味がない。危機感だけにあおられるような現状が危なっかしくて仕方ない。 (井上真由美)

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