分裂自民が第1会派へ攻防 来年1月の北九州市議選 市長選も見据え

西日本新聞 北九州版 岩谷 瞬 山下 航

 今回の北九州市議選(来年1月22日告示、同31日投開票)は、昨年の自由民主党市議団の分裂により、「第1会派」を巡る激しい議席争いが予想される。市議選後の議長選出、さらに2年余り後の市長選を見据えているためだ。分裂した自民の2会派(自民、自民の会)は、無所属で立候補を予定している新人を囲い込もうと、水面下で働き掛けを強めている。

 「元の鞘(さや)に戻す気はさらさらない」。自民の中堅市議は、自民の会との合流について言下に否定する。対して自民の会の市議も「このまま選挙だ」とヒートアップ。別の会派の幹部は「(自民の2会派は)仲が悪すぎる」と苦笑するほどで、分裂したまま市議選へ突入する見通しだ。

 22人いた第1会派の自民市議団は昨年3月、議長選出を巡り対立。党県連副会長の片山尹(おさむ)市議ら9人が離脱し、自民の会を立ち上げた。残った自民は13人となり、公明党と同数でかろうじて第1会派を維持している。

 自民の両会派とも現職は全員出馬の方針で、議席を上積みしようと新人候補の引き入れを画策。自民の若手市議は個人名を挙げ、「2、3人は当選すればうちに来るだろう」と声を潜ませる一方、自民の会の市議も「数人があいさつに来た。当選したら当然、こちらに入る」と譲らない。ある新人候補は「うちに来い、と両会派から声をかけられた」と打ち明ける。

 次期市長選(2023年2月任期満了)は、「3期まで」の公約を覆して昨年4選を果たした北橋健治市長が既に不出馬を明言。「市議選で主導権を取ったところが(市長候補選出を)進めていく」(地元選出の国会議員関係者)と言われており、「ポスト北橋」が市議選後の大きな焦点となる。

 自民では数か月前から、昨年の知事選に出馬した男性を議員控え室などに招いており、周囲から「市長候補としての動きではないか」との臆測を呼んでいる。一方、自民の会の中堅市議は「こっちには挨拶一つない。なめている」と反発。別の自民の会の市議も「大きな塊を作って次の市長をつくる」と息巻く。

 一方、立憲民主党の市議らでつくるハートフル北九州は現職1人が引退し、現職9人と新人3人が立候補する見込み。中には県議を2期8年務めた新人候補もおり、「台風の目になるだろう」(自民系市議)と他会派も警戒を強める。また、無所属の新人候補にも注目しており、選挙結果次第では第1会派も視界に入る。

 自民と現在同数の公明は現職13人全員が出馬する方針で、議席維持に重点を置く。ある市議会関係者は「自民が第1会派を取れなかったら、市議選後に自民の会と合流する可能性はある」と指摘。現在は犬猿の仲の両派だが、自民の会のある市議は「終わってみないと分からない」と含みを持たせる。

 複数のベテラン市議が「市長選へどの会派が主導権を握るかを占う、重要な選挙戦」とみる市議選。自民の会会長の片山市議は「マスコミは分裂を面白おかしく書くが、結果を出せればいい」と淡々と語った。(岩谷瞬、山下航)

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