HKT下野・独占手記 劇場は「原点」、全ての人が帰ってこられる場所に

西日本新聞 古川 泰裕 三笘 真理子

 私たちにとって劇場公演とは「原点」だ。これはメンバーやファンも共通の思いだろうし、もはや家のようなものだ。

 2011年11月26日の初日。「お客さんは来るのだろうか」と不安だった。公演が続けば、モチベーションを保つことが難しかった。自分の理想とするパフォーマンスに届かず苦しい思いもしてきたし、おのおの大切にしたいものが違い、意見が割れたこともあった。

 それらを全て包み込んでくれたのが、劇場という場所であり、そこへ足を運んでいただいたファンの皆さんだった。公演特有の温かな空気感が私たちの成長をずっと見守ってくれた。そのおかげで、どんなことも自分たちで解決できる力をつけることができたと思う。

 旧劇場には、私たちのいろんな思い出が何かの繊維に至るまで全てに染み込んでいた。その場所がなくなってしまうことに最初はショックを受けた。染み込んだ思い出まで消えてしまうのでは、という寂しさがあったからだ。

 だけど、代替会場での公演でも空気感が変わることはなく、幕が開き、ファンの人の顔を見れば、自然と力をもらえた。後輩も増え、その不安や葛藤を包み込める存在になりたいと思うようにもなった。

 そして、また私たちに劇場という場所が戻ってくる。

 在籍年数を考えれば、後輩たちの方がこの劇場に多く立つことになるだろう。この環境が当たり前ではないこと、そんなことはとっくに理解している優秀な後輩たちだ。温かさに甘えすぎず、家と呼べるほど、一緒に思い出をつくって染み込ませていきたい。

 辛いことがあったとき、メンバー、ファン、全ての人が帰ってこられる場所になってほしい。

 11月2日、私たちは今までの感謝と未来への期待を胸にステージに立った。 (1期生・下野由貴)

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