「またダムに翻弄される」熊本・五木村民が知事に訴え 計画再燃で

西日本新聞 社会面 古川 努 中村 太郎

 熊本県の蒲島郁夫知事は2日、7月豪雨で氾濫した球磨川流域の治水策を巡り、五木村の住民の意見を聴いた。村は是非論が再燃している川辺川ダム計画の水没予定地。半世紀以上もダム問題に翻弄(ほんろう)されてきた住民は「何をいまさら」と戸惑いつつ、村の将来のために「造るか否かによらず振興策を示して」と訴えた。

 国は1966年にダム計画を発表。村は下流域の安全のために苦渋の選択でダムを容認したが、2008年に蒲島氏は計画の「白紙撤回」を表明した。

 意見聴取会には15人が参加。水没予定地から代替地に移った犬童(いんどう)雅之さん(84)は、豪雨後の蒲島氏の「ダムも選択肢の一つ」との発言に「白紙撤回の際と同様に、非常に戸惑いを感じる」と述べた。

 40年前に約3千人だった村の人口は現在約900人。観光で村おこしを目指すがダム計画が復活すれば、水没予定地に昨年オープンした人気の宿泊施設は使えなくなる可能性がある。犬童さんは「村の振興策、村民の生活再建策をもう一度示した上で、ダムの是非を判断して」と強調した。

 「清流は後世に残すべき財産」とのダムへの反対意見や「また村がダムに翻弄されるのでは」と危ぶむ声が上がる一方で、賛成の意見もあった。蒲島氏は「人命財産を守り、同時に清流も守るような治水の在り方を考えたい」と述べた。

(古川努、中村太郎)

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