ICカード全国共通化へ 北九州市営バス、次期経営計画素案公開

西日本新聞 北九州版 古瀬 哲裕

 北九州市交通局は、市営バス事業の黒字化を見込んだ2021年度から5年間の第3次事業経営計画素案を公開した。現在は市営バス専用となっているICカード乗車券を、全国のバス・鉄道各社と相乗りできる仕様に変更するなどのサービス向上策も盛り込んだ。13日まで市民の意見を募り、本年度中に正式決定する。

 路線バス事業の収入は、1991年度の24億3300万円をピークに減少傾向が続く。安定して営業継続できる態勢づくりが最大の課題だ。

 2019年度決算によると、路線バスの輸送人員は前年度比5・5%減の539万2千人、収入は同4・7%減の9億7100万円だった。貸し切りバスや受託運行などを含めたバス運行事業全体の収入は18億500万円で、収支は1億7500万円の赤字。設備投資などを示す資本的収支も1億1500万円の赤字だった。資本剰余金は、19年度末で前年比2億5600万円減の11億4300万円。交通局総務経営課は、運転手不足に伴う超過勤務の増加で人件費がかさんだほか、2月以降はコロナ禍の影響も受けたとみる。

 一方、次期計画素案は貸し切りバスや受託運行事業の拡大で、バス運行事業全体で各年度おおむね19億円台の収入を予想。今春から始めた乗客が少ない路線や時間帯の大幅減便による経費削減で、収支は5千万~7千万円台の黒字を見込む。

 資本的収支は23年度以降の赤字を5千万円台まで圧縮。老朽車両の更新時に、新車ではなく中古車を購入するなどして支出を抑え、全体の収支均衡を見込む。

 顧客サービスでは、ICカードをJR九州のSUGOCAなどと全国相互利用できるシステムに共通化する。実施は来年度で、費用は3億6千万円を見込む。また、バスの運行状況をインターネットで検索できるシステムの導入も図る。ほかにも、高齢者の運転免許返上への支援として、年間2万4千円で乗り放題の後期高齢者向け定期券を、免許返上から1年間は半額で購入できるようにする。

 ただ、素案にはコロナ禍の影響は予測困難として織り込んでいない。本年度は緊急事態宣言下だった4月に、路線バスと貸し切りバスの収益が前年同月比で6割も減少。現在も2割以上減った状態が続く。事態が長引けば悪影響は避けられない。

 素案は市役所本庁舎や各区役所で閲覧できる。市のホームページからも入手できる。 (古瀬哲裕)

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