批判怖い…屋外イベントも開催低調 民間業者「まずは行政主導で」

西日本新聞 社会面 泉 修平

 新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着きつつあるが、秋の行楽シーズンを迎えても福岡市中心部での屋外イベントの開催は低調だ。週末のにぎわいを生んできた市役所前広場や天神中央公園の利用は本年度、いずれもわずか2件。「3密」を避けやすい屋外にもかかわらず、予約済みの行事も開かれるか不透明という。経済への打撃を懸念する市は感染防止策を徹底した上での開催を促すものの、民間事業者の腰は重い。

 人工芝の広場を白いテープで2・5メートル四方に区切った「升席」で、家族連れなどが音楽ライブや映画上映を楽しんだ。先月9、10日に同市役所前広場で今年初めて開かれた大型イベント。民間事業者にコロナ禍での開催モデルを示そうと市が特別開催した。インターネット予約で来場者の連絡先を把握し、入場時の消毒や検温を徹底。イベント業界関係者が視察した。

 小売や宿泊、飲食など第3次産業が生産額の9割超を占める同市。春秋にはほぼ毎週末、大型屋外イベントが開かれてきた。市は「イベントは福岡の街のにぎわいづくりと消費拡大につながる。感染予防と経済活動の両立を図ることが必要だ」として再開を後押しする。だが、コロナの影響で前年度に36件のイベントを開催した市役所前広場も、本年度は今のところ市主催の2件のみ。感染拡大前からの予約は残るが「実施されるか分からない」(担当者)。

 前年度に25件を実施した天神中央公園も今年は9月の2件のみで、今後の予定は来年1月の1件にとどまる。熊本市の熊本城公園では11月下旬から恒例の「お城まつり」を予定するが、飲食ブースやステージを設けないなど例年に比べて規模を縮小する。

 なかなか開催に踏み込めない理由についてイベント会社関係者は「収益が見通せないため」と明かす。大勢が集まる場所を敬遠する意識は根強く、NTTドコモのデータ解析でも天神や博多駅周辺の休日の人出は前年同期の7~9割程度。「来場者や売り上げの減少が見込まれれば協賛企業も集まらない。準備に数カ月かかるが、感染者は1、2週間で一気に増え、直前で中止になる恐れもある」

 仕事が例年の1割ほどまで減ったという市内のイベント会社社長は「民間のイベントで集団感染が起こったら批判は免れない。まずは行政主導の催しやスポーツ大会で実績を重ねてもらうしかない」と語る。

 そんな中、新たなイベントの形を模索する動きも進む。10月下旬に開かれたアジア最大級のIT、家電の展示会「CEATEC(シーテック)」。幕張メッセ(千葉市)を会場にしてきたが、今年はオンラインで開催。日本イベント産業振興協会によると、オンライン開催に転じる動きは首都圏や大阪などで広がっているという。

 地域でのミニイベントが今後、盛んになるとの見方も。日本イベント協会九州本部によると、大型イベントを避け、商店街や町内会規模の催しで再開は進んでいるという。担当者は「参加者が限定され、気軽に足を運べる場所での小規模な催しが今後、増えていく可能性はある」と話す。 (泉修平)

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