発電再開めど立たず 瀬戸石ダム 7月豪雨で主要設備が浸水

西日本新聞 熊本版 村田 直隆

 7月に熊本県南部を襲った豪雨災害から4日で4カ月。球磨川中流にある瀬戸石ダム(芦北町、球磨村)は、豪雨により発電設備が水没した影響で運転停止の状態が続いている。管理する電源開発(Jパワー、東京)は「被害の詳細を確認している段階」とし、発電再開のめどは立っていない。

 同ダムは1958年に運転開始した発電専用ダム(最大出力2万キロワット)。同社によると、7月4日午前2時すぎ、大雨で急激にダムへの流入量が増え、毎秒2千立方メートルを超過。ダム下流域に大きな被害を及ぼす恐れがある「過去に経験したことがない流入量」だった。

 その後も流入量は増え、放流量を調整する五つのゲートを水面から離す操作を続け、自然河川に近い状態を保った。午前7時までにゲートを全開にし、操作員2人は避難した。

 豪雨後、ダム本体に異常は確認されなかったが、球磨川の氾濫で横にある発電所が浸水し、発電機などの主要な設備は使用不能になった。現在もゲートは開けたままだ。

 本体上部にかかる連絡橋(全長92・5メートル、幅3・9メートル)の接続部分5カ所で約70~15センチのずれが生じたが、8月上旬から住民や工事関係者に限って車で通行できるようになった。

 球磨川下流沿いにある放流を知らせる警報サイレン設備28カ所も浸水し、復旧できていない。雨で河川が増水する場合は、地域ケーブルテレビやサイレン車などで周知を図るという。

 球磨川流域の住民らでつくる「瀬戸石ダムを撤去する会」は「災害発生前からダム湖底に堆積していた土砂が水位上昇に影響し、周辺の被害を拡大させた」と主張。Jパワーにダム撤去を求めるよう国に要請した。同社は「被害とダムとの因果関係は調査中」としている。 (村田直隆)

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