福岡と博多の古写真を「記憶に近いカラー」に AIに頼らず手作業で

西日本新聞 ふくおか都市圏版 手嶋 秀剛

 福博の古い白黒写真をAI(人工知能)技術に頼らずに、自らの目と手作業でカラー化した写真展が5、6日、はかた伝統工芸館(福岡市博多区上川端町)で開かれる。九州産業大芸術学部4年の伊藤晃生さん(21)が卒業研究として取り組んだ。博多人形の名人・故小島与一氏の創作風景や戦前の街並みなど約20点を当時に近い色合いで見ることができる。

 伊藤さんはソーシャルデザイン学科に所属。デザインを通して社会に貢献することを目指しており「コロナ禍で、博多どんたくや山笠がなかった福博の人たちを笑顔にしたい」と、古写真を着彩した作品の展示会を思い立った。

 古写真のカラー化はAIを使って自動着彩が可能だが「実際と異なる色になる場合が多い」と伊藤さん。デッサンの経験を生かし、白黒写真の濃淡で当時の色合いや色調の劣化などを判断。「記憶に近いカラー化」を目指し、撮影時の時代背景を調べ、所有者への聞き取りなどを参考にして自身で彩色を施した。

 大正時代の川端町、昭和初期の天神の酒店、終戦直後の日本髪の女性、山舁(か)き姿の子ども(1957年)、道路舗装前の天神町(60年代前半)などが“カラー写真”でよみがえった。

 伊藤さんは「写真展ではオリジナルの白黒写真も展示したので、見比べてほしい」と話す。会場では着彩のワークショップも実施。来場者が持参した白黒写真に着彩し、無料で印刷して渡す(両日とも先着20人、1枚のみ)。21~23日には博多区御供所町のギャラリースペース「博多織工房おりおり堂」でも写真展を開く。 (手嶋秀剛)

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