6人除外、杉田副長官が伝達 首相答弁 原発新増設「今はない」

西日本新聞 総合面 森井 徹

 菅義偉首相は4日の衆院予算委員会で、2050年までの脱炭素社会実現に向けた方策と関連し、原発の新増設を「現時点では考えていない」と述べた。一方、梶山弘志経済産業相は「必要な限りにおいて原子力も活用する」として新技術による原子炉開発を続ける考えを示した。日本学術会議の会員任命拒否問題では、首相が決裁前に6人の除外方針を杉田和博官房副長官から伝えられていたことを明らかにした。

 原発を脱炭素社会実現の手段に位置付けつつ、新増設は考えていないとする政府答弁に、立憲民主党の枝野幸男代表は「矛盾している。閣内不一致だ」と批判。梶山氏は「技術開発や研究開発はしていかなければならない」と釈明した。原子炉の使用期限は延長しても最長60年で、現在の原発は50年には大半が期限切れになっているとみられるが、首相は将来的に新増設しない方針を変更する可能性について「現時点では想定していない」と繰り返し、明言を避けた。

 日本学術会議の問題では、首相は自身の就任後に「懸念や任命の考え方を官房長官を通じて内閣府に伝えていた」と述べた。9月24日に内閣府が推薦候補105人のうち99人を任命する方針を提案し、同28日に首相が決裁したと一連の経緯を明らかにした。

 その上で首相は、6人を除外する方針は杉田副長官から説明を受けたと明言。野党側はこれまで、決定に関与したとされる杉田氏の国会招致を求めてきたが与党側が拒否しており、立民の辻元清美氏は「どういう理由で外そうとしたのか説明いただく必要がある」と改めて要求した。

 予算委で野党側は、「学術会議の推薦通りに会員を任命しなければならないわけではない」とする政府見解に関し、裏付けとなる資料の提出を求めたが、政府は示せなかった。会員の多様性を重視すると言いながら、少数派の私立大や若手の研究者を除外した矛盾については、首相はこの日も「人事に関することで答えられない」と繰り返し、共産党の志位和夫委員長は「支離滅裂。あまりに見苦しい」と批判した。 (森井徹)

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