米大統領選大激戦 トランプ、バイデン氏両者とも「勝利に自信」 (2ページ目)

西日本新聞 一面 田中 伸幸

振りかざす正義、融和遠く

 トランプ米大統領が郵便投票を一方的に「不正」と決め付け、確定結果を待たずに事実上の「勝利宣言」をしたのは、民主主義の根幹である選挙への冒涜(ぼうとく)と言わざるを得ない。途中段階でのデータを都合よく利用し、既成事実化を図る狙いは明らかだ。

 今後、激戦州ペンシルベニアなどで開票作業が進む郵便投票の結果、仮にバイデン前副大統領が勝利することになれば、トランプ氏は郵便投票の正当性を巡って異議を申し立て、連邦最高裁の判断を仰ぐ考えを示している。

 現在、最高裁判事の構成は10月に自らが駆け込み指名した1人を含め保守派が6人、リベラル派が3人。共和党のトランプ氏に有利な判断が出かねないとの懸念が、民主党支持者を中心に広がる。

 トランプ氏の再選阻止を掲げ、バイデン氏を支持した市民を刺激し、彼らが反発するのは必至。そうなればトランプ氏の支持者も当然対抗する。自らの主張こそが「正義」と疑わず、相手の意見に耳を傾けない双方が衝突し、内戦のような最悪の事態にも発展しかねない。

 「米国は民主主義国家のリーダーどころか、世界の笑いものだ」。選挙期間中、双方の支持者から現状に対する嘆きの声をたびたび聞いた。両候補が選挙を巡る不毛な争いをやめなければ、国内の融和など望むべくもない。その影響は超大国の威信にとどまらず、民主主義全体の信用低下にも及ぶことになる。 (ワシントン田中伸幸)

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