「最近の若い者は」と始まれば「なっとらん」と続くのが定番…

西日本新聞 オピニオン面

 「最近の若い者は」と始まれば「なっとらん」と続くのが定番である。民俗学者の柳田国男氏が英国の学者から聞いた話として書き留めたところでは、約4千年前のエジプトの古文書にも「この頃の若い者は」という嘆き節が出てくるという

▼しかし「最近の若い者は…偉い!」と思わず言いたくなる光景がある。それは公園で子どもと遊ぶ若いお父さんの姿だ。ここ10年ほどで格段に増えた気がする。見るだけでこちらの顔もほころぶ

▼日本の父親が子育てを母親に任せきりにするあしき伝統は高度成長期に出来上がったのか、それ以前からか。育児を夫婦で分かち合う新たな流れを「最近の若い者」がつくりつつあるとすれば、本当に心強い

▼とはいえ、厚生労働省によれば日本の民間企業に勤める男性の2018年度の育児休業取得率は6%程度。まだまだ低い。これを25年に30%まで引き上げるのが政府の目標だ。男性が育休を取りやすくする制度導入も検討している

▼ただ、制度面だけ見れば日本の男性育休制度は世界でも先進的という。ネックは「何となく取りにくい」という職場の空気だ。上司の渋い顔が気になり自己規制しているのか

▼もし古代エジプトの昔から、本当に若い者がずっと「なっとらん」のなら、文明は退化を重ね消滅しているはず。実際には若い者が偉かったからこそ、現在の文明社会がある。「最近の若い者」に期待している。

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