「いい意味でうそを…

西日本新聞 社会面 梅津 健哉

 「いい意味でうそをついた絵のほうがいい。楽しんで描こう。(中略)自分が楽しければ人も楽しい」。福岡県嘉麻市の織田廣喜美術館で目にした、織田さんの言葉だ。学芸員などに筑豊版への寄稿をお願いしていることもあり、お礼を兼ねて訪れた。

 織田さんの作品をまとめて鑑賞するのは初めて。数々の傑作や大作があったが、心に残ったのはポストカードに使われた「碓井町役場風景」(1991年)だった。モデルは現在の同市役所碓井支所。美術館近くにあり、失礼ながら印象は「よくある役場」。

 これが「夢を描く画家」にかかると、幻想的な雰囲気の中、れんが色の建物が浮かぶ不思議な光景になる。木も空も好きな色に調和させ、電柱など描きたくないものは無意識に消していたという織田さん。寄稿で紹介されるエピソードでも、好奇心と創作の喜びにあふれた姿が目に浮かぶ。ぜひ美術館で生の作品にふれてほしい。 (梅津健哉)

PR

デスク日記 アクセスランキング

PR

注目のテーマ