スー・チー政権に初の審判 総選挙8日投票、圧勝なるか ミャンマー

西日本新聞 国際面 川合 秀紀

 【バンコク川合秀紀】ミャンマー総選挙の投票が8日実施される。2015年の前回選挙では、民主化運動をけん引したアウン・サン・スー・チー現国家顧問率いる政党、国民民主連盟(NLD)が圧勝して政権を奪取、長年にわたる国軍主導の政治に終止符を打った。スー・チー政権初の審判となる今回、少数民族和平などの公約を実現できない中、改選議席の約8割を獲得した前回同様の勝利を果たせるかは見通せない。

 ミャンマーの議会は上院(定数224)と下院(同440)の二院制。5年に1度の総選挙は各院の25%を占める軍人議員枠(両院計166議席)を除く、計498議席を小選挙区で選ぶ。今回は少数民族勢力と国軍の衝突激化を理由に、複数州で投票中止が決まったため22議席分が選出されず、計476議席を争う。

 大統領は軍人議員を含む上下両院議員の全員投票で選ばれるため、NLDが単独で大統領を選出して政権を維持するには過半数の計322議席獲得が必要。スー・チー氏は依然として圧倒的人気を誇っており、NLDが改選476議席の3分の2超を獲得して単独過半数を確保する見通しだ。

 ただ、少数民族勢力による紛争は収まらず、軍人議員枠の削減などを目指した憲法改正案も議会で否決された。新型コロナウイルスの感染拡大で景気も悪化しており「庶民にNLD政権への不満が高まっている」と現地ジャーナリストは指摘する。国軍系の最大野党、連邦団結発展党(USDP)や少数民族政党に議席を奪われ、前回ほど大勝できないとの予想もある。

 イスラム教徒の少数民族ロヒンギャが弾圧を恐れ、難民として大量に国外流出している問題は国際的な批判を集めるものの、国民の大半を仏教徒が占め差別意識も根強いため、選挙の争点となっていない。

 新型コロナ感染者は5万人を超え、選挙運動は大幅に制限された。有権者は約3800万人。8日深夜にも大勢が判明する見通し。

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