健康情報を1冊の手帳に 荒尾市がグッドデザイン賞受賞

西日本新聞 熊本版 宮上 良二

 医療や介護の情報、お薬手帳、終末期に関する「人生会議」など、健康に関するあらゆる情報を1冊にまとめた熊本県荒尾市の「あらお健康手帳」が、本年度のグッドデザイン賞(地域・コミュニティづくり)を受賞した。手帳は2016年の熊本地震をきっかけに、市医師会などが開発。ばらばらだった健康に関する管理書類を1冊にまとめ、普及を目指している点が評価された。

 手帳は、医療や介護、福祉、保健の関係機関が情報を共有し、利用者が健康的な生活を送るための適切なサービスを提供するのが目的。本人や家族が管理し、提示することによって個人情報の活用に同意する。

 A5版のバインダー式で(1)アレルギー歴や既往歴などの基本情報(2)入院や手術、発症などの大事な情報を医科と歯科、薬科で共有する医療連携ノート(3)血圧や検査結果などの医療情報(4)介護と福祉に関する情報(5)お薬手帳-などの冊子で構成。必要に応じ、がんや糖尿病、心不全、脳卒中、認知症を追加できる。

 さらに、救急搬送など緊急時の対応希望を記した「救急医療シート」、終末期の治療方針を家族らと決める「人生会議シート」も含まれる。内容を変更する場合は、シートの入れ替えで簡単に対応できる。

 市医師会によると、手帳の開発は、熊本地震で県内の多くの医療機関が設備の損壊や停電で、電子カルテなどを使えなくなった時、お薬手帳が役立ったのがきっかけ。電子媒体を補完する紙媒体の有用性が裏付けられ、市医師会を中心に、市と市民病院、熊本大、認知症疾患医療センターなどが連携し、17年、当時5種類あった病気ごとの冊子を健康手帳に統合した。

 手帳は県の助成金を活用し、主にかかりつけ医の判断で無料配布している。現在の利用(登録)者は荒尾市を中心に300人超。

 グッドデザイン賞の審査員は「全国でも同じような取り組みが進むことを期待したい」と評価。市医師会の地域連携担当理事、中村光成医師(58)は「将来は母子手帳も統合し、市民が生涯利用できる健康管理手帳として発展してほしい」と話した。在宅ネットあらお=0968(57)9350。

 (宮上良二)

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