クマノミ、ラッパウニ…亜熱帯生物が玄界灘に続々 温暖化の影響か

西日本新聞 佐賀版 野村 創

 佐賀県唐津市の馬渡(まだら)島や松島周辺の玄界灘で、亜熱帯などの海で生息するクマノミやソラスズメダイの卵と世話をする親魚の様子を、ダイビングインストラクターの浪口知記さん(33)が撮影した。玄界灘では他にも亜熱帯性の海洋生物が多く見つかっており、専門家は「海水温が上昇した影響ではないか」と指摘する。

 浪口さんによると今年8月1日と9月14日、馬渡島近海の水深8メートルに潜り、岩肌に産み付けられたクマノミの卵を確認した。クマノミの親魚は10年ほど前から姿を見せていたが、3年ほど前から冬を越すようになったという。昨年8月下旬には松島近海の水深15メートル地点で、カキ殻の中に産んだ卵を世話しているソラスズメダイを見つけた。いずれも卵の撮影は初めて。

 浪口さんはこの海域で今年2月、沖縄県魚のグルクン(タカサゴ)と同じタカサゴ科のニセタカサゴの群れを確認。今月に入ってからはサンゴの一種、エダミドリイシの上で休むカサゴや、沖縄県に多いウニのラッパウニの姿も撮影した。一方、比較的冷たい海を好むアイナメの卵は近年、見なくなったという。

 気象庁のデータでは、九州北西部の海面水温は2019年までの100年間で1・25度、冬場は1・57度上昇した。海域環境に詳しい高知生物多様性ネットワーク(高知県大月町)の岩瀬文人代表(63)は「冬場の水温が上がり、今まで死んでいた海洋生物が生き延びるようになったのでは」と分析。唐津市のNPO法人、玄界灘を守り育てる会の会員でもある浪口さんは「唐津沖はここ数年、急激に熱帯系の海になりつつある。海に潜って感じた変化を多くの人に情報提供し、有効活用してもらえれば」と話す。

 (野村創)

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