ドローンで運動場の人文字撮影 飯塚第一中、動画を卒業式で配布へ

西日本新聞 筑豊版 中川 次郎

 新型コロナの影響で学校行事が中止となった卒業生に思い出を作ってほしい-。福岡県飯塚市の市立飯塚第一中(吉田浩昭校長)のPTA役員会が、ドローンを使った撮影会を企画し、賛同した市民らが無償で協力した。運動場であった撮影会で、生徒は満面の笑みを浮かべ、ドローンに向けて手を振った。動画はDVDにまとめ、卒業式に配る予定。

 10月30日午後、運動場に3年生が続々と集まった。PTA会長の新藤峰大さん(44)が「コロナ禍で大変と思うが、いい思い出と共に卒業してほしい」と声を掛け、撮影が始まった。

 運動場には教諭が約2時間かけて白線で描いた「HAPPY」の文字と花。約250人がクラスごとに並び「人に必要とされる仕事につきたい」「志望校に合格」など夢や目標を書いたメッセージを掲げた。ドローンが空中に上がり、生徒の様子を映像に収めた。撮影を引き受けた飯塚市の大谷香里さん(58)は動画を確認し、「きれいに写っている」と満足そうな表情を浮かべた。

 新型コロナの影響が広がり、飲食店の店内営業自粛が相次いだ今春。大谷さんは新藤さんの妻が経営するカフェで、テークアウトの弁当を頼んだ。このことがきっかけで、2人は知り合った。雑談を重ねるうちに、大谷さんがドローンでの撮影技術を持つと知った新藤さん。大谷さんは家業の江藤石油で役員を務めるが、「石油の需要は減っているので、他の事業も必要だ」と、ドローン撮影も事業として手掛けていた。

 新藤さんが「コロナ禍で普段の生活が送れなかった卒業生のため、ドローンで撮影をしてほしい」と頼むと、大谷さんは「何かしてやりたいという心意気に打たれた」と、無償で協力することを決めた。

 撮影日は、大谷さんが操縦技術を学んだ一般社団法人「ドローン大学校」博多キャンパスの仲間3人も協力に駆けつけた。空撮のほか、メッセージを持った生徒を動画に収めるため、固定したドローンに生徒が楽しそうに近寄ってくる姿を見て、新藤さんは「本当にやってよかった。大谷さんや仲間のおかげで素晴らしい日になった」。

 撮影が終わり、生徒会長の女子生徒(15)が「コロナでできないことが多い中、このような機会を与えてくれて感謝します。本当に楽しかった。今回書いた将来の夢を実現できるように頑張ります」とあいさつ。それを聞いた大谷さんはうれし涙をこぼした。「生徒の役に立ててよかった。今年は本当に大変だったと思う。この日のことを思い出として、卒業し、高校でも頑張ってほしい」

(中川次郎)

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